リズムも楽しい絵本「パンパンジェントルパン」の作者 増田 和子さん 下土棚在住 48歳
笑いを届ける存在に
○…「頭が真っ白、晴天の霹靂でした」と出版が決まった時を思い返す。出版社に持ち込んだ絵本ラフが10年の時を経て10日、出版された。今年2月から3カ月の突貫作業では勤務先のオーナーに休みを増やしてもらうなど協力してもらった。「10年、温めてくれた担当者、オーナー夫妻、皆さんのおかげ」と感謝を口にする。リズミカルな文章と色を塗ったカラフルな切り絵が魅力。「好きなようにリズムに乗って、楽しんでほしい」と呼び掛ける。
○…幼少期のディズニー絵本が原点の一つ。「マットな感じと色使いが好きだった」と振り返る。作り手にまわるきっかけは大学卒業後、「就職やだな」と思った時に出会った絵本講座。講師は1990年代を代表する作家、荒井良二氏。作り方よりは頭の体操のような絵本の可能性を広げる内容に共感。10年通った。だが「なるんだというより、なんとなくでした」と肩の力を抜いているタイプだった。とはいえ念願のプロデビュー。今年他界した父を含め「少しは親孝行できたかな」と思いを述べた。
○…横須賀生まれの横須賀育ち。藤沢市には14年前から住んでいる。子ども時代は「人見知りで内気」だが、高校時代は友人と一緒にできると剣道部に入り、初段を取った。思い出は判定取り消し。試合で男子相手に小手を2本決めた瞬間、嬉しくはしゃいでしまった。「残心を忘れてしまった」。
○…「笑ってもらえることが嬉しい」。ここ10年取り組むフェルトの人形の作品でも「笑える」物語を添える。目標は作家活動で生計を立てることで、「身近にいて笑いを提供する存在になりたい」と思いを語る。次回作は「降ってくるのを待ってる、いや迎えにいかなきゃ」と笑った。
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