観光客の利便性向上を図ろうと、藤沢市と(公社)藤沢市観光協会、ecbo(株)(東京都渋谷区)は来月中旬から、同社が運営する荷物預かりサービス「ecbo cloak」の実証実験を市内で開始する。25日、3者は連携協定を締結。登録店舗の空きスペースを活用し、1日1個500円から荷物を預かることで、「手ぶら観光」の促進につなげる狙い。
市では2023年度の観光客数が約1960万人となり、過去最高の記録を更新した。一方、同社の調査によると、市内では1日1千個分の荷物預かり場所が不足しており、特に藤沢駅や江ノ島駅、辻堂駅周辺が顕著だという。また、これまで藤沢駅構内のインバウンドへの案内所機能を兼ねた「湘南藤沢コンシェルジュ」でスーツケースなど大型の荷物を預かっていたが、JR・小田急同駅改良工事に伴い、昨年6月から工事が終了する27年度まで一時閉鎖となり、コインロッカー増設や大型荷物預かり所などの整備も喫緊の課題だ。
それらを踏まえ、3者は多種多様な店舗の空きスペースを利用した同社の提供する荷物預かりサービスを導入。店舗側の売上や認知度の向上にもつながり、市内経済の活性化が期待できる。
すでに国内47都道府県、1千店舗以上で導入されているサービスで、現在市内の登録店舗はカフェやレストランなど5店舗。来月には片瀬海岸の市観光センターで、需要調査を目的とした実証実験をスタートさせる。
使用方法はアプリで店舗を選択し、事前予約。クレジットカードで決済後、荷物を預ける。店舗にはスマートフォンなど端末画面を見せるだけなので、言葉の通じない外国人客でも手間なく利用可。今後さらに登録店の拡大を図っていくほか、サーフボードの預かりなど市内ならではのプランも検討していくという。
協定締結に際し、同協会の湯浅裕一会長は「大きなスーツケースを引きながら観光するお客さまを毎日目にする。藤沢の観光振興に寄与し、”おもてなし”として有意義なサービス」とした。
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