藤沢市が26日、2025〜34年度の「藤沢市中期財政見通し」を発表した。21年の新型コロナ禍中に改定した前回見通しよりも歳入が増加すると推計する一方、公共施設整備費や社会保障関連費の増加によって32年度には約186億円の財源不足を見込んでいる。
計画的な財政運営を行うため市では、中期的な推計を行っている。社会情勢の変化や制度改正を反映して改定を行い、21年8月に22年度から26年度の推計を行っていた。
この推計がコロナ禍中だったことから、市税の見通しと実績で大きな乖離が生じたことや、次期市政運営の総合指針にあわせて、当初予定を1年前倒して今年11月に改定した。さらに、これまでの5年間の推計では大規模な事業の全体像が捉えにくいことから、期間を10年間に広げた。
市資料によると、新たな推計では歳入から歳出を引いた財源不足について25年度は約96億円、26年度は約50億円を見込む。前回推計は26年度に約142億円の不足を見込んでいたことから、歳入は増加傾向となっている。市財政課では「景気の持ち直しによる市税の増加が推計を上回っている」と分析する。
一方で歳出では、市民会館整備等の公共施設再整備事業や、藤沢駅周辺地区再整備、村岡地区都市拠点総合整備等の建設事業が予定されている。少子高齢化による社会保障関連費の増加もあり、主な事業が集中する27年度以降は歳入と歳出の差が増大すると推計。期間中の財源不足のピークは32年度の約186億円。同課では「建設事業費では物価上昇の影響も大きい」と話す。
財源不足の解消に向けて、同課ではこれまで以上の歳入確保と歳出縮減の必要性を訴える。歳入では、ふるさと納税の拡充や公共施設等の市有財産を有効活用することで積極的な歳入の確保などの対策をあげる。
歳出では、優先的に行う事業の見極めや既存事業の抜本的な見直しなど選択と集中を掲げる。同課では「新たに改定した中期財政見直しをもとに、健全財政を維持した予算編成に取り組んでいきたい」と話す。
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