極めて優れた技術を有する匠として「藤沢マイスター」に認定されている表具師の丸山一朗さん(65歳・弥勒寺在住)が先月28日、技能者の認知度向上や後継者育成につなげようと、自身が仕立てた屏風を市に贈った。
寄贈品は、台所へと向かう通路などを隔てる際に用いられる「大勝手屏風」。藤沢にちなみ、表には葛飾北斎の『冨嶽三十六景・相州江の島』のデジタルプリントが施されている。また、屏風と共に寄贈された台座は、丸山さんの店で出た古いふすまの枠を再利用して作られたものだという。
紙や布を使って屏風や掛軸などを仕立てる表具師の技術は、和室がある家の減少などにより、衰退が危惧されている。今回寄贈した屏風について丸山さんは「実用的なものだからどんどん使ってほしい」とした上で、「表具師の技とデジタルプリント、古新の技術が融合した作品。現代の進化を取り入れながら新しいアイデアを生んでいきたい」と展望を語った。
寄贈を受け、丸山さんに感謝状を手渡した鈴木恒夫市長は「素敵な屏風を寄贈いただき、大変ありがたい。たくさんの市民に見ていただき、匠の技を知ってもらえたら」と期待を込めた。
屏風は13日(金)まで、平日午前9時から午後5時に市役所本庁舎1階プロムナード(ローソン前)に展示される。問い合わせは市産業労働課【電話】0466・50・8222。