銅像や人形に扮した大道芸「スタチュー」が先月30日から2日間、藤沢駅北口のサンパール広場に登場し、駅前をひとときの「屋外美術館」に演出した。今年は全国から選りすぐりの延べ26組が自慢の芸を披露し、道行く人々を楽しませた。
「本物?あれ、動いたよ」。宇宙飛行士をモチーフにしたパフォーマーが宙に浮き上がると、のぞき込んでいた女の子の目が輝いた。
「ふじさわスタチュー美術館」と銘打った企画。市民有志による実行委員会が主催し、4回目となる。スタチューは喋らず、おひねりを入れると本物そっくりの像が動き出す「静かな芸」が醍醐味。ポストコロナの地域活性化イベントとして始まり、地元事業者の協賛を受けながら年に1回手弁当で開催している。
会場には計7スポットが用意され、戦士を模した銅像やオルゴール人形、全身黄色の「ペインター」など、趣向を凝らした芸を披露。子どもらは緊張した面持ちながらパフォーマーが動き出すとハイタッチしたり、記念写真を撮ったり。見守っていた大人らは目を細め、会場のそこかしこで笑顔の花が咲いた。
実行委員長の谷口齋隆さんは「応援してくれる人たちがいてこそ続けられる。藤沢を盛り上げていくために来年以降も続けたい」と話した。