市内にいる小学生の中で、唯一の受賞となった石川小学校5年の福井紗夕さんは、2度目の挑戦で初の栄冠を手にした。「不思議な自動種子散布植物〜カタバミ種子散布実験part2」と題し、写真や数値などを盛り込みながら解説したレポートをA4用紙26ページにまとめた。優秀賞の報告を受けた福井さんは「夏休みの間、ずっと研究してきた甲斐があった」と笑みをこぼした。
応募のきっかけは、自宅の庭に生えていた小さな黄色い花。「大の植物好き」という福井さんは図鑑で品種を調べると、オッタチカタバミだと知った。通学路や友人の家などでも目にし、気にしながら過ごしていた。ある日の帰宅後、花壇の上にも広がっていたことを疑問に思い、観察を続けると、降雨の際に間近で種がはじけた。昨年はその飛び方を調べた。
今年はさらに内容を磨き、カタバミに加え、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、インパチェンスの種子の飛散距離と方向などを調査。10〜30cmの円を描いた的の中央に実を置き、ピンセットで突いて刺激を与えると、カタバミが最も高く飛んだことが分かった。
「1m離れた種もあった」と福井さんは好奇心に満ちた瞳で語った。