神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
藤沢版 公開:2025年1月17日 エリアトップへ

亀井野・大和田さん 「もしあの子が生きていたら」 亡き夫が残した絶筆の処女作

文化

公開:2025年1月17日

  • X
  • LINE
  • hatena
厚みのある小説の装丁=上写真=、ビール片手に笑みを浮かべる生前の精吾さん(妻・とき子さん提供)
厚みのある小説の装丁=上写真=、ビール片手に笑みを浮かべる生前の精吾さん(妻・とき子さん提供)

 亀井野在住の大和田とき子さん(74)が昨年末、小説『相模の辰次郎 街道流れ旅―故郷の温もり封じ―』を上梓した。おととし5月に亡くなった夫の精吾さんが書きためた物語を一冊にまとめた。「寂しい気持ちもある。でも何とか形にできて、ほっとしている」。とき子さんはそう言ってほほ笑む。

 「亡き夫 大和田精吾、長男 大和田辰吾に捧ぐ」――。本の冒頭にはこうつづられている。

 精吾さんは長年勤めた建築会社を定年退職後、四国八十八カ所遍路参りや地元のウォーキング仲間と歩き旅に出た。北海道から沖縄まで日本縦断も果たした。

 「息子への懺悔旅だったのかもしれない」ととき子さん。大和田夫妻の長男・辰吾さんは13歳で病死した。「悔やんでも悔やみきれない」と精吾さんはよく口にしていたという。

 健康そうに見えた精吾さんだったが、2021年の春、医師から肺がんと診断された。2年以上に及んだ闘病生活の中で辰吾さんを主人公「辰次郎」に投影した小説を執筆することに。江戸末期、人情に厚く正義感のある28歳の渡世人が旅をする物語だ。「いつか世に出したいね」。とき子さんが手を握ると力強く握り返した精吾さんは、その数日後に息を引き取った。

 精吾さんの遺志を受け継いだとき子さんは、スマートフォンに打ち込まれた文章を起こし始めた。「何だか夫がそばにいるような気がして。夢中で物語の世界に入っていけた」と約2カ月で出版までこぎつけた。

 精吾さんがとき子さんに宛てた追憶記には、こんな言葉が残されていた。「わがままな自分に付いて来てくれてありがとう。誰に会いたいと言われれば、やっぱり娘でも孫でもない、お前しかいない。お前の優しさに癒されたい」。共に歩んだ人生をたどるようにとき子さんは頁をめくった。

 書籍はA5判サイズ、576頁。総合市民図書館(湘南台)と湘南大庭市民図書館に寄贈された。

湘南巻き爪矯正院 藤沢院

無料相談会実施中!神奈川16店舗展開 施術実績41万回超 切らない・痛くない「負担の少ない施術」

https://shonanmakitume.com/fujisawa/

㈱平和堂典礼

藤沢市辻堂神台2-2-41 0120-59-6999

https://heiwadou.com/sp/

<PR>

藤沢版のローカルニュース最新6

寒さに負けず「はい!」

寒さに負けず「はい!」

拳勝館門下生130人が稽古

1月17日

新たな挑戦は事業継続の鍵

新たな挑戦は事業継続の鍵

経済3団体が賀詞交換

1月17日

メタバース障害者が体験

メタバース障害者が体験

26日に共生イベント

1月17日

炎を前に離れ技披露

炎を前に離れ技披露

今田遊水地で「どんど焼き」

1月17日

ホーム感謝祭で無料観戦

湘南ユナイテッドBC

ホーム感謝祭で無料観戦

1月17日

詐欺撲滅グッズ抽選で100人に

藤沢暴力追放推進協議会

詐欺撲滅グッズ抽選で100人に

電話自動応答録音機 受付け始まる

1月17日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 1月17日0:00更新

  • 1月10日0:00更新

  • 12月20日0:00更新

藤沢版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2025年1月17日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook