NPO法人日本卓球療法協会の理事長を務める 長渕 晃二さん 多摩市在住 57歳
卓球で楽しくリハビリ
○…医療や福祉の現場で近年注目されている「卓球療法」。パーキンソン病や認知症、精神疾患の患者に対するリハビリを卓球で行う。ラリーだけではなく、台の上でボールを転がしたりとやり方はさまざま。ボールを目で追い、頭を動かし、反射神経や手指機能の活性化を図る。「リハビリを楽しくできる」とあふれる魅力を語る。
○…鵠沼出身。大和市のつきみ野中学時代は、卓球部に所属した。大学では福祉を専攻。学費を稼ぐためにアルバイトを8つ掛け持ちする中で、実際に福祉の現場にも携わった。障害児保育やインドシナ難民保育などにも取り組んだが、「どれも自分には合わない」と思った。社会福祉協議会の仕事に興味を抱き、進んだ大学院では藤沢市や茅ヶ崎市、大和市などで実習を行った。
○…卒業後は東京都の社協や埼玉県のファミリーサポートセンター、デイサービス、福島県や岐阜県の短大などに講師として勤務した。卓球療法を始めて知ったのは、この頃。以降、39年の間福祉事業に関わってきた。「自分ほど多くの分野の福祉現場に携わった人はいないのではないか」と自負する。結婚を機に多摩市に転居し、2014年に相模原市を拠点に日本卓球療法協会を立ち上げた。法人化することで卓球療法士を資格とし、介護の基礎知識を身に付けた上で現場に出る仕組みを整えた。
○…「藤沢は世界に誇れる福祉のまち。分野それぞれの療法に特化した施設がたくさんある」。現在は協会の運営と共に、獺郷の障害者支援施設や市内の就労支援施設などで活動する。忙しい日々の中で、妻と出かけることが息抜き。「卓球療法を世界に広めたい」と目標を掲げ、今後も福祉活動を各地で展開していく。
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