みその台在住の彫刻家、親松英治さん(81)が30年以上にわたり手掛ける、木彫聖母マリア像の制作が大詰めを迎えた。高さ約9・5m、幅約2・5mの大作。完成後は島原の乱の犠牲者慰霊のために、長崎県へ寄贈される予定。
像は樹齢200〜300年ほどの巨大なクスノキを、輪切りにし積み重ねていく独自の方法で制作。親松さんは聖園女学院敷地内にある作業場でノミや金槌、チェーンソーなどを使い、全て一人で制作している。「自分がいつ倒れても作品として成り立つように」とマリア像の顔部分から順に作り上げてきた。周囲から場所、仕事依頼などの支援を受けながら、材料費だけでも1500万円以上かかる費用の大半を自ら負担しているという。現在は細部の隙間を埋めるなどの調整作業が中心で、今後金色と銀色を合わせた塗料で色づけする。
30年ほど前、江戸時代初期に多くの犠牲者を出したとされる島原の乱の地に、犠牲者を弔う目立った慰霊碑や神社仏閣などがないことを知り、彫刻家としての使命を感じ制作を始めたという。長年の制作期間で、支えとなったのはヨハネ・パウロ2世教皇からの3度の祝福。「能力の限界に挑戦できた。宗教にとらわれず、多くの人に見てもらいたい」と親松さん。
戦地となった原城近くにある「有馬キリシタン遺産記念館」へ7月に寄贈を予定しており、10月ごろから公開される見込み。今後、単独制作の木彫マリア像としてギネス世界記録への登録も目指す。
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