藤沢駅南口のランドマーク施設「フジサワ名店ビル」(山田秀幸代表取締役社長)が本日11月20日、1965年の創業から50年を迎えた。昭和の時代から半世紀にわたって市民に愛され、また文化の発信基地として、藤沢に活気を与え続けてきた「地元密着ビル」のあゆみを辿った。
当初の名前は「みやまビル」
フジサワ名店ビルが誕生したのは、日本中が高度経済成長に沸いた東京五輪の翌年1965年11月のこと。藤沢駅北口には、すでに現在のビックカメラの位置にさいか屋が存在していたが、藤沢の商業の中心となっていた南口では第1号の大型商業ビルだった。
駅前の再開発以前から同地で営業してきた「みのる百貨店」「美栄堂百貨店」「山田屋」の3店のオーナーらによって共同で建設。当初は、それぞれの名字(山岸、山口、山田)に共通する「山」にちなんで「みやまビル」と名付けられる予定だったという。しかし、1階部分に東京の有名菓子店を集めた「東京名店街」(下写真)が設けられることになり、「フジサワ名店ビル」と命名。「みやまビル」の名残は、ビルの西北部に掲げられた3つの山で構成されるシンボルマーク(左写真・横断幕部分)に見て取れる。
屋上観覧車やエレベーターガールも
7階建てのビルには、地下フロアの生鮮三品店をはじめ、1階に東京名店街、3階には「有隣堂」や「湘南レコード」、スポーツ用品店、 5階に中華レストランや喫茶店、おもちゃ屋(6階)など、40を超える専門店が入居。「湘南魚つる」「みのるうなぎや」「有隣堂」の3店舗は代替わりを経て創業当時から営業、名店ビルの顔として愛されている。
屋上には、9つのゴンドラをもつ観覧車が設置されたほか、夏はビアガーデンが開かれるなど、駅前ビルの先駆的存在だった。また、エレベーターガールが常駐するエレベーター、のぼり専用のエスカレーターが設置。「初めてエスカレーターに乗ったのは名店ビル」と思い出をもつ人も多いという。「くだりが無いのは、おそらく上階から階段を利用してもらって購買意欲をあおるシャワー効果を狙ったのだと思う。当時はまだ2歳なので、定かではありませんが」と山田社長は目を細める。
今年は、北原照久コレクション「昭和レトロ大博覧会」や円谷プロのウルトラマン展、30年ぶりのビアガーデンなど、50周年を記念してさまざまなイベントを開催、多くの人で賑わった。 親、その子ども、孫の3世代に親しまれ、「藤沢に住み始めてから毎日のように来てるわよ」と言わしめるフジサワ名店ビルは、昭和レトロを残しつつ、これからも藤沢を活気づける。
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