藤沢柳通りをモチーフに1960年、島倉千代子さんが歌った『藤沢やなぎ小唄』と、村田英雄さんと五月みどりさんのデュエット『藤沢ばやし』が、かつての街を写した白黒写真とともに、動画サイトに公開され、再び命が吹き込まれた。CD化されていなかったため、一般の人が聴ける機会は限られていた。
これは商店街の協同組合柳通り睦会(沼上治家理事長)が、市の「商店街にぎわいまちづくり支援事業」を活用して実施したもの。まちづくりアドバイザーの西川りゅうじん氏がレコード会社日本コロムビアとの仲介人となり、実現させた。
沼上理事長は、「原版レコードは商店街の人しか持っていなかったので、動画を通じて一般の方にも聴いてほしかった。また、柳通りには歌詞が刻まれたシンボルもあるので、ぜひ訪れてほしい」と呼びかける。
花街の賑わい歌う
藤沢駅北口の柳通り周辺は、江戸時代は東海道の宿場町・藤澤宿として、その後の1960年代はいくつも料亭や小料理屋、見番、置屋が建ち並ぶ「花街」として発展してきた。昼間は三味線を練習する音が聞こえ、夕方は芸者衆の歩く姿で賑わったという。
60年、周辺の料亭や置屋などを中心に、柳通りにちなんだ楽曲の自費制作の話が持ち上がり、レコード会社に打診。当時新人だった島倉さんが抜擢され、同曲をリリース、B面は村田さんと五月さんによるデュエットが収録された。2曲とも、三味線と粋な歌いっぷりで、柳通りでの恋や藤沢の情景が表現されており、実際のお座敷でも、芸者がこの曲に振りを付けて踊ったという。「動画を通じて、藤沢の玄関口である柳通りの歴史や文化、風情を知ってほしい」と沼上理事長。
2曲とも動画サイトYouTube(【URL】https://www.youtube.com/watch?v=txuAaqD8tdk)で、試聴・閲覧できる。
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