男子第72回県高校駅伝競走大会が2日、小田原市の城山陸上競技場で行われ、藤沢翔陵高校が3年ぶり34回目となる優勝を果たした。12月に開催される全国高校駅伝、通称「都大路」への切符を手に入れ、県勢最多の35回目の全国出場となる。
台風19号による被害の影響で、例年の丹沢湖から初の競技場でのトラックレースとなった。各区間ごとに選手たちが規定の距離をトラックで周回し、男子は7人の合計タイムで順位を競った。
1区・1万mは馬場園怜生さん(3年)。上位3人が県高校男子新記録を出すハイレベルな争いの中、5位にくらいついた。続く2区の田邉優太さん(2年)が2位につけ、3区の伊東卓駿さん(3年)、4区の長谷実樹さん(3年)が先頭集団で繋げた。
しかしトップは依然として、昨年優勝の宿敵・鎌倉学園。近隣地域ということもあり、中学時代からのライバルも多く、選手にとって意識せざるを得ない学校だ。
流れを変えたのが、5区・3000m担当の、主将・金子伊吹さん(3年)。当初残4周ほどで攻める予定だったが、鎌倉学園の選手が転倒するアクシデントが発生。「想定より先頭集団のスピードが遅く、ポジション取りも考える必要が出た」と一転し、残2200mで早々に仕掛けた勝負が成功、区間トップで後続につないだ。続く6区・山村啓仁さん(3年)が、鎌倉学園と11秒差までつけた。
運命を託されたのは、今回が公式戦初出場となった、7区・アンカー、岩野幸樹さん(2年)。これまでケガなど不調が続いていたが、今回はまさに「大抜擢」だった。スタート前に伝えられたトップとの差は約10秒。「プレッシャーには強くない」と話しつつも「いつも(小菅正男)監督に言われていることをこなすだけ」と自信を持って5000mを走り出した。
先頭集団は8人。大きな動きはなく、緊張が続く中、残り2000m、8人の先頭集団を抜け出した。追う鎌倉学園を背中に感じつつも、一度も振り返らず、力強いストライドで先頭を走り切り、1位でゴール。最終記録は2時間6分49秒で2位鎌倉学園との差は僅か「2・57」秒。思わずガッツポーズを決めた岩野さんに皆が駆け寄り、抱き合い、涙した。
次に迎えるのは、11月16日の関東大会。結果に関わらず全国へ出場できるが、「全国へ弾みのつく走りができれば」とメンバーは先を見据えた。
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