コロナ禍でコンクールが中止になったピアノ奏者に演奏の場を提供しようと、藤沢市在勤の高木敏郎さん(45)が「全日本ピアノeコンクール」を企画した。高木さんは「ピアノ教室に通う人や指導者をはじめ、音楽関係者は厳しい状況を強いられている。未来を担う演奏家たちが才能や技術を育む場になれば」と話している。
同コンクールは小学生から一般までを対象に6部門が設けられ、今回の企画で繋がった現役の音大教授や講師、ピアニストら20人がオンライン上で審査する。
選曲はクラシック音楽であれば自由。各部門で決められた時間内に演奏する。予選は演奏者が自身で撮影した映像をもとに、本選は無観客の音楽スタジオでの演奏動画を生配信し審査を行う。「人によって収録環境が異なるため、音の響きや音質よりも、曲の理解や表現を重視する」と高木さん。一般的に敷居が高く感じてしまうコンクールだが、本選では視聴者投票も実施し、より多くの人に興味を持ってもらえるよう工夫した。
開催のきっかけは高木さんの娘のピアノ教室のレッスンや2月以降の発表会が中止になり「モチベーションが下がっている姿を見て残念に思った」。大手の主催団体でもオンライン開催の動きは無かったため「だったら自分がやろう」と発案。イベントなどで写真や映像を撮影する自社のノウハウを生かし、実現にこぎつけた。
オンラインのメリットは、審査員が繰り返し試聴ができ、演奏順によって得点が左右されないこと。高木さんは「本選では演奏曲のポイントや背景など解説も付ける。このコンテストが、クラシック音楽市場拡大の一助になれば」と話した。
6月1日から予選動画の受付を開始。定員は予選は各部門100人、本選は各25人程度。参加料は予選は4千〜7千円、本選は8千〜1万4千円で開催運営費に充てる。申し込み・詳細は、公式サイトhttps://epiano.tokyo/へ。
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