藤沢市に拠点を置く「神奈川フューチャードリームス(FD)」が初参戦する、プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグが20日、開幕を迎える。今季は関東地方5県、北陸・信越地方5県、東北、近畿地方から各1県の12チームが参戦しリーグ優勝を目指す。
神奈川FDは21日(日)に敵地で茨城アストロプラネッツと今季初戦を迎え、ホーム開幕戦は22日(月)に平塚球場で栃木ゴールデンブレーブスと対戦する。地元神奈川での開幕戦とあって熱戦が期待される。試合は新型コロナウイルスの影響で当面の間無観客での開催となるが、ホームゲームはインターネット中継が行われる。
神奈川FDは、南藤沢に本社を置く、中古釣具チェーン「タックルベリー」などを束ねる(株)FDIホールディングスを運営母体に設立。藤沢翔陵高校の総合グラウンドを拠点に練習を行っている。
初代監督を務めるのは、元横浜ベイスターズで首位打者にも輝いた名選手、鈴木尚典監督。ゼネラルマネージャー(GM)には、元ベイスターズ監督の山下大輔氏が就きサポートしている。
選手は約半数が神奈川県出身。故郷のチームでプレーがしたいと他球団から移籍する選手、社会人チームからトライアウトを受け入団する選手など様々。今季ドラフト1位で指名された杉浦健二郎投手は、高校、大学で野球部に所属せず、草野球チームでプレーしながらも最速150Kmを投げる異色の右腕として話題を集めた。
選手の中で活躍が期待されるのは、横浜出身の青木颯内野手。2018年、19年のシーズンでBCLベストナインに選出され、18年には群馬でリーグ日本一を経験。非凡なバットコントロールと持ち前の俊足で、チームのリードオフマンとして監督の信頼も厚く、主将を任されている。
リーグ初参戦するチームについて青木選手は「選手の意識が高く、明るい雰囲気がチームの特徴。選手一人ひとりが結果を出し監督の期待に応えることで優勝に近づく」といい、「日本一はもちろん、神奈川フューチャードリームスを多くの人に応援してもらえるようなプレーをしたい」と意気込みを語った。
鈴木監督「野球で恩返しを」感謝を胸にチームけん引
「神奈川だから監督を引き受けた。地元に恩返しができるなら」―。
鈴木監督は、静岡県出身だが横浜高校へ入学し、90年ドラフト4位で大洋に入団、横浜一筋に18年間プレーした。「野球人生のほとんどを神奈川県で過ごした。その場所に野球チームができることになって、うれしかったし、やってみたかった」と、チームの初代監督を引き受けた。
練習では、自らバットを握りノックをし、積極的に選手とコミュニケーションを図ってきた。「走攻守バランスのとれたチーム」と期待する。
目標に掲げているのは、史上初のリーグ加入、初年度優勝。そして同じ独立リーグの四国アイランドリーグ優勝者と争う独立リーグ日本一。「長いシーズンは全員で一丸となることが一番大事」と、結束力を目標達成のポイントに挙げた。
新型コロナウイルスの影響で約2カ月遅れでの幕開け。「やっと野球が、試合が出来る喜びをかみ締めている。まだまだスタッフ選手全員で細心の注意を払いながら、ファンの皆さんと一緒に戦っていきたい」と抱負を語った。
夢の舞台へ勝負をかける元日藤エースの池田投手
背番号26、左腕の池田建人投手は、藤沢市と縁の深い選手だ。出身は茅ヶ崎市だが、中学で硬式野球チーム「湘南クラブ」(石川)で全国ベスト4に進出。その後、日本大学藤沢高校でエースとして3年夏に県大会準決勝まで勝ち進んだ。
卒業後、社会人チームの三菱自動車に入団しプロを目指したが、7年間誘いは無かった。
神奈川FDにはトライアウトで入団。会社を辞め背水の陣で挑んでいる。「地元にチームができることが大きなきっかけになった。恩返しをしながら、小さい頃からの夢をもう一度追いたい」。今シーズンにかける思いは熱い。
現在25歳。若手が多い投手陣の中では最年長だ。ピッチングは、コントロールと球の切れが持ち味で、先発でも中継ぎでも対応できる貴重な左腕。池田選手も「試合の流れを引き寄せるような役割をしたい」と話す。
開幕へ向けては「野球ができる喜びをグラウンドで表現できるよう精一杯プレーしたい。神奈川を盛り上げられるような試合を見せたい」と意気込みを語った。
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