湘南工科大学=辻堂西海岸=はこのほど、同大成田知巳教授が研究する「落雷位置標定システム(LLS)」の落雷位置情報を海上保安庁に提供開始した。同庁が運用する海洋状況表示システム「海しる」にデータを反映させることで、航海時の避難や進路変更など安全確保に役立てる。
成田教授によると、LLSは落雷による電磁波を複数の受信機で観測し、到達時間差から落雷位置を特定。データ提供後はウェブサイトの地図上に落雷位置が表示され、危険カ所が把握できる。雷雲の位置などからゲリラ豪雨の予測も可能という。
2017年に同大で初めて導入以降、東京大や京都大など全国の大学と共同研究を進め、現在までに国内53カ所、国外20カ所に同システムを設置。日本をはじめ、東南アジアやオセアニア地域でも展開し、最大規模の落雷位置標定ネットワークを築いてきた。
6日、同大で行われた情報提供開始式で、同大の渡辺重佳学長は「社会に貢献できる技術者の育成に努める大学としてうれしく思う。海洋での安心安全の強化と気象災害防止に役立ててほしい」とあいさつ。海上保安庁の森宏之参事官は「海しるの利便性強化は必須の課題。世界規模で行っているプロジェクトの情報を海洋研究者が活用することでますますいいものになる」と期待した。
海しるは一般の人でも利用可能。モバイル版へはスマートフォンなどからアクセスできる。
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