ひらりひらりと舞う小さく美しい姿を追い続けた集大成が完成――。
自然観察指導員の上村文次さん(71)=片瀬山=がこのほど、10年間で75種類の蝶を観察した記録をまとめた「よこはまの蝶」を自費出版した。
蝶に関する出版は3作目。2010年まで横浜市内の小学校で教員をしていた経験から、エリアを横浜に設定し、09年から18年まで独自調査を行った。
同書では観察できた蝶を写真と説明文で紹介。県絶滅危惧種とされるツマグロキチョウやオオチャバネセセリ、日本で唯一肉食性で生息地が激減しているというゴイシシジミなど珍しい種類も掲載した。図鑑としても役立つよう成虫だけでなく、卵、幼虫、蛹の写真も並んでいる。さらに舞岡公園(戸塚区)や寺家ふるさと村(青葉区)など10カ所の観察地の情報も添えた。
上村さんによると「県内に生息するとされる約120種のうち、横浜市内で75種類の観察に成功した」という。「大都市のイメージが強いが、藤沢とも隣接し自然も多く、蝶の宝庫といえると思う」と熱を込める。
次は「湘南版」を
大学時代に蝶マニアの友人がきっかけで魅了され、現在は観察会の講師や講演活動、藤沢市の新林公園の保全ボランティアなど行っている上村さん。「次は湘南版を出版したい」と考え、すでに2年前から藤沢市内などでも調査を進めている。「この本を片手に身近な自然の中へ出て、実際に蝶との出会いを楽しんで、感動してもらえたら」と話した。
A5判160ページ、オールカラー。江ノ電沿線新聞社発行、税別1800円。ジュンク堂書店藤沢店、有隣堂藤沢店ほかで購入可能。問合せは上村さん【携帯電話】090・7207・2196へ。
|
|
<PR>
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>