「おねがいがあります。八部公園のテニスコートをじんこうしばにしないでください」――。市立八松小学校の渡部七葉(ななは)さん(11)と玖琉(くりゅう)君(9)姉弟が18日、八部公園=鵠沼海岸=のテニスコートを人工芝に改修しないよう求める手紙を、鈴木恒夫市長宛てに提出した。人工芝が海洋マイクロプラスチックの原因となっていることを知り、「藤沢の美しい海を守るため、私たちの未来のために」と思いをつづった。
2人はサーファーの両親の影響で幼い頃から環境問題に興味を持ち、マイクロプラスチックによる海洋汚染について学んでいた。そのため常日頃から、海岸清掃や学校帰りのごみ拾い、プラスチックの利用削減などに、積極的に取り組んできたという。
そんな時に知ったのが、身近な八部公園のテニスコートの人工芝への改修。「藤沢の海が汚れてしまう」と悲しい気持ちになり、「自分たちに何かできることはないか」と模索。米・ニューヨーク市の小学生たちが行動し、市議会を動かしたドキュメンタリー映画を参考に、2人も市長に手紙で思いを訴えることにした。
マイクロプラスチック問題の原因として知られるのは、ペットボトルやレジ袋などのプラスチックごみだが、テニスコートをはじめ、家庭用玄関マットなどにも使用されているプラスチック製の人工芝も一因と考えられている。県環境科学センターが昨年3月に発表した「一般参加によるマイクロプラスチック分布調査」の報告書では、人工芝と推定される緑色へら状のマイクロプラスチックが相模湾沿岸地域の比較的広範囲で検出されたと報告。太陽光などで劣化した人工芝が、風雨で側溝や下水道を通じて海に流され、汚染の原因になっているとみられる。
「行動しないと」
七葉さんは手紙で、藤沢市が、2018年に県が発表した「かながわプラごみゼロ宣言」に賛同していることに言及し、「それなら、はじめからプラスチックごみになる人工しばを選ぶことはおかしいと思う」と指摘。2人は「すぐ行動を起こさないと魚よりプラごみが多い海になってしまう。思いが届くといいな」と声を揃えた。
市が管理する屋外の人工芝の施設は、秋葉台公園や辻堂南部公園など計6カ所。八部公園のテニスコートの改修を巡っては、2021年度当初予算に、8面のうち7面を人工芝へ改修するため約9700万円が計上されている。
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