市内在住の児童文学作家・こまつあやこさん(35)がこのほど、自身2作目となる小説「ハジメテヒラク(講談社)」で日本児童文学者協会新人賞を受賞した。
同賞は昨年1年間に出版された児童書、少年詩集、児童文学に関する評論、研究書を選考対象とし評価するもの。過去受賞作品にはドラマ化や映画化、教科書への掲載など幅広く親しまれている作品や、受賞後活躍する児童文学作家を多数輩出している。
勇気を与える作品に
「おはようございます。実況はわたし、出席番号三十三番、綿野あみがお送りいたします」――。今作「ハジメテヒラク」は、脳内実況をひそかな趣味とする主人公の女子中学生が生け花部に入部。そこで個性豊かな部員をはじめ周囲と向き合い、自身の殻を破り挑戦する姿など様々な青春模様が描かれる。
「主人公は人前で喋ることが苦手な性格だが、実況や部活動を通して自分の可能性と向き合っていく。そんな姿が読者の方が何かに挑戦するときに一歩踏み出す勇気を与えられれば」とこまつさん。自身も思い悩んだ学生時代を振り返り、10代中高生にそっと寄り添う作品に仕上げた。
こまつさんは1作目「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ」で講談社児童文学新人賞を受賞し、2018年にデビュー。19年度の中学入試最多出題作として注目を集めた。
学校図書館司書の母親の影響もあり、幼い頃から本に囲まれて育ったこまつさん。本好きが高じて小学生の頃から作家を志すようになったという。大学卒業後は、公共図書館や学校の図書館司書として勤務。「書き手と図書館司書、手段は違えど人と本をつなぐ仕事。どちらも両立して続けていく」と話した。
四六判、242ページ、定価1540円。全国の書店などで販売。
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