ギョーザが好きだ。特に焼きがいい。ご飯やビールとの相性はもちろん、値段も手頃、野菜たっぷりでヘルシーとまさに庶民の味方だ。ところで最近気が付いたことがある。藤沢市内で生餃子の持ち帰り専門店が増えている。しかも無人販売や自販機など営業形態も多彩だ。コロナ禍のテイクアウト需要に関係があるのだろうか。腹ペコ記者が急行した。
まず向かったのは、白旗に今年1月にオープンした「餃子の雪松」。関東を中心に全国に100店舗以上を展開し、近頃様々なメディアにも取り上げられている「ギョーザ界の急先鋒」だ。
無人販売で24時間営業。防犯カメラは設置されているが、来店客はギョーザが並んだ冷凍庫から商品を自分で取り出し、木箱に料金を入れるシステムだ。非接触型で「新しい生活様式」に即していることに加え、人件費を削減できることが躍進の理由とみられる。
市民お馴染みの町中華「味の古久家」が湘南台に5月オープンした直売所。雪松と同様無人で24時間営業だが、製造所が併設されており、スタッフがその場で手包みした生ギョーザが購入できるのが特徴だ。
焼きギョーザは同店で3人に1人が注文する人気商品といい「持ち帰りも想定の3倍の売れ行き。好調です」と小林剛輔代表(49)。「飲食店の状況が従来に戻るとは考えにくく、テイクアウト需要への対応が課題だった」と説明する。
一方、コロナ禍以前から自動販売機で小売りする構想を温めていたという老舗中華料理店の「中華大新」。石川の工場では、3店舗で提供するギョーザを製造。2月から冷凍餃子の販売を始めたところ、こちらも好評で週末は200箱近くが売れるという。品切れになっても工場からすぐに補充できるのも強みだ。
無人販売の業態が広がっていることについて、3月に唐揚げ専門店に併設する形で「生餃子製造所カノウ」を藤沢に開店した加納食堂代表の加納利春さん(41)は「無人でも安全上の問題がクリアできると知らしめた雪松さんの影響が大きい」としつつ「この業態は今に始まったものでもない」とも。
10数年前にギョーザの皮を作るメーカーが発案したもので、元々土台はあった。「その上で冷凍か生か、機械式か手包みか、事業者が組み合わせを選ぶ時代なんです」
◇
なるほど、そんな背景があったとは。取材した各店とも今後多店舗展開や他の商品の販売を視野に入れているとのこと。ポストコロナに向け、需要は一層高まりそうだ。
それはそうと、嗚呼、お腹へった。
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