(一社)日本機械学会の宇宙工学部門・部門長に就任した 中村 和行さん 湘南台在住 61歳
宇宙工学の最先端に挑む
○…機械技術に関わる研究者、技術者、学生などから構成される日本機械学会。今春、宇宙工学分野のトップに就いた。宇宙と聞くと華々しく感じるが「はっきりいって儲からない。現実は厳しい」と苦笑。国内で宇宙事業を扱う企業はまだ少なく学会約3万人のうち、専門の研究者は350人程度。しかし「みんな大体顔見知り」は、分野での情報共有と後進育成の強みになる。”キャプテン”として知識と人をつなぐ。
○…失敗すると赤字、事業とん挫にもなる宇宙開発。「構造解析」は、設計図などをもとにコンピューター上で製品を仮想的に再現し、圧力や熱など条件に合わせた負荷をシミュレーションすることでテスト。「失敗の可能性を限りなくゼロに近付ける」技術だ。物を作らないでその特性が分かること、完成した製品と計算が「ドンピシャ」で合致することに魅力を見出し30年以上携わり続けてきた。「世の中に今までないものを作り出したい」と力を込める。
○…「作って動くのが楽しい」。模型やラジコンなど、物作りの好きな子どもだった。湘南高校を経て横浜国大の機械工学へ進学し、構造解析と出会う。当初は宇宙分野への関心は無かったが、大手電機メーカーでエンジニアとして人工衛星・宇宙開発の部署へ配属されたことが運命を決めた。2004年、同僚だった妻と独立。「ここまで構造解析一本で来るとは」と笑う。
○…休日はアウトドア派で、江の島へサイクリングや登山で気分転換。高校時代に写真部で鳴らした腕で風景写真も撮影、インスタグラムに投稿も。「交通の便もよく、穏やかな所が気に入っている」と藤沢愛を語る。「湘南台から宇宙へ、技術を発信できたらいいね」
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