江ノ島電鉄株式会社(片瀬海岸)が新たな交通コンテンツとして、シェアサイクル事業に取り組んでいる。鉄道会社が自社でシェアサイクル事業に取り組む事例は関東初。「潮風を浴びながら自転車で走る国道134号線。藤沢の魅力を全身で満喫してほしい」と同社。アフターコロナも視野に、江ノ電、えのバスなど既存事業と連動させ、「移動の楽しさ」を主軸に地域の新たな観光創出を狙う。
シェアサイクル事業「SHONAN PEDAL」は、今年4月に開始した。利用の際はスマホアプリから予約し、表示された暗証番号を、自転車に入力することで解錠。支払いはアプリで行い15分70円(最大12時間1000円)で24時間利用できる。
貸し借りを行う専用の駐車ラックは江ノ電長谷駅、江ノ電バス湘南営業所、ODAKYU湘南GATEなど、同社が提供する交通拠点周辺を中心に約10カ所設置した。
江ノ電が新交通コンテンツ事業
事業立ち上げに際し同社は3月、自転車を新たな公共交通として確立させることを目指す担当部署・マイクロモビリティ部を設立。全国でシェアサイクリング事業「HELLO CYCLING」を手掛けるOpen Street(株)(本社・東京都港区)と提携した。委託でなく自社事業とすることで、公共交通として価格を抑える狙いだ。
同部の久米薫さんは「駅やバス停から少し離れた場所にも足を運びやすくなり、地域活性の一助となる。交通不便地域の方の新たな足や、渋滞除けも期待できる」と説明する。近年進む、健康志向や渋滞緩和、二酸化炭素排出削減などを背景とした自転車の活用推進も追い風となる。
藤沢は、19年には湘南地域シェアサイクル広域周遊観光実証実験が実施されるなど注目が集まる地域。「アフターコロナでも、海沿いの道や湘南の景色を楽しみながら自転車で移動すること自体が観光コンテンツになる」との期待も。
8月末まで電動アシスト付きスポーツタイプ自転車「KUROAD」の実証実験も実施。利用料金は15分140円で、江ノ電長谷駅、藤沢駅や江の島島内のほか、大磯や茅ヶ崎を含む約10カ所にラックを新設し、新たな観光ルートの創出も計画する。
久米さんは「地域の方にも利用してほしい。藤沢の新たな魅力を自転車で見つける楽しみを提供できたら」と話した。
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