小さかったり知名度が低いため、ほとんど市場に出回らない「未利用魚」と呼ばれる雑魚を活用する取り組みが片瀬西浜・鵠沼海岸海水浴場で始まった。「江の島サスティナブルシーフード」と銘打ってブランド化し、海の家と地元漁協が連携して独自メニューを考案。地産地消を推進しつつ、新たな観光資源としても広くPRしていきたい考えだ。
8日、片瀬西浜海水浴場にある西浜亭でブランドの立ち上げが行われ、関係者に未利用魚を使ったオリジナルメニューが振る舞われた。この日提供されたのはブリの幼魚「ワカシ」を使った煮付とフライカレー。試食した関係者の一人は「さっぱりしていておいしい。海の家の新たな売りになるのでは」と期待する。
使うのは、江ノ島片瀬漁業協同組合の定置網で水揚げされた未利用魚。北村治之組合長(57)によると、大きさが足りないサバやイワシ、消費者受けが悪いシイラやアイゴ、鮮度保持が難しいサメやエイなど、市場では値がつかない魚は肥料になるか廃棄されるケースが多かった。多いときには網の半分以上を占めることもあるといい、「食べてみれば問題なくおいしい。獲った魚が廃棄されることがもどかしかった」と打ち明ける。
同組合では海の家や観光関係者らを交え毎月片瀬漁港で「江の島フィッシャーマンズマルシェ」を開催。イベントを通じて未利用魚の普及も進めてきた。
こうした実情を踏まえ、マルシェの実行委員長で、江の島海水浴場協同組合の栗原義忠副理事長(55)が「海の家で提供すればより多くの人に未利用魚を知ってもらえる。市民が地元で獲れた魚を食べるきっかけにもなるのでは」とブランド化を発案。まずは趣旨に賛同する組合内の4店がそれぞれ商品を提供することにした。参加店の一つによると、来店客からの反応は上々という。
本来食べることができたのに廃棄されてしまう食品ロスをなくし、観光資源として活用する。地産地消を促しながら、漁業関係者の新たな糧とする。取り組みはサスティナブル(持続可能性)の視点に基づいた”一石四鳥”の仕組みだ。
栗原さんは「こういう発想もあるんだと、近隣の海水浴場にも広がっていけば」と話した。
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