新型コロナウイルスの影響で第103回全国高校野球選手権神奈川大会を辞退した藤沢工科高校が先月31日、鎌倉学園と練習試合を行った。戦えず悔しさを抱えていた生徒たちは、全力で白球を追い最後の夏を笑顔で終えた。
同校は2回戦に勝利した後、学校関係者にコロナ感染が発覚し、活動を停止。部活動の対外活動が禁止となり、続く3回戦の鶴嶺高校との対戦を辞退し不戦敗となった。
練習試合のきっかけは、同じくコロナで不戦敗となっていた城郷高校(横浜市神奈川区)に対し、3回戦で対戦予定だった鎌倉学園の竹内智一監督が再試合を提案したこと。その後県高野連を通じて、活動を再開していた藤沢工科にも打診があり、3校が保土ケ谷球場で試合をする運びとなった。
緊張した表情で試合を迎えた選手たち。先発・額田真輝選手(3年)が3回まで2失点の好投を見せると、4回表には右翼手の今野大誠選手(同)が適時打を放ち1点を奪う気迫をみせた。だがその裏、鎌倉学園に3点を奪われ点差は開き、最後は1対8で7回コールド負け。試合中、点差が開いても選手たちは時折笑顔を見せ、グランウンドではつらつとプレーしていた。
主将の江頭真斗選手(同)は「試合をしてくれた鎌倉学園さんに感謝をしている。強かったけれど、最後まで楽しくプレーできた」と笑顔を見せた。鎌倉学園の竹内監督は「3年生一人一人が真剣勝負してくれたことがうれしかった」と選手の健闘を称えた。
負けたけど満足
昨夏、3年生が引退すると部員が9人と試合ができるぎりぎりの人数となった同校。それでも試合がしたいと、春は野球経験のある生徒をスカウトして大会に出場した。
主将の江頭選手は、少人数のチームをまとめてきた立役者だ。3年生6人と切磋琢磨してチームを作り上げてきた。夏の大会前に左ひじを骨折し一時はチームを離脱。野球ができない日が続いただけに夏の大会への思いは強かった。不戦敗となった後も「まだ試合があるかも」と引退はせず、進路活動などの合間を縫って3年生全員と練習に参加してきた。
試合では強豪相手に一番打者として初回にヒットで出塁。守備では2つの併殺打を記録した。「チームのみんなが楽しそうでれしかった。満足してる。今まで教えてくれた先生方や先輩に感謝したい」と話した。
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