新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、藤沢市でも新規感染者が急増している。医療体制の現状は?感染拡大の原因は?どのようなことに注意すればいいのか?医療の最前線に立つ藤沢市医師会の加藤葉子医師、石原宏尚医師、山田峰彦医師、鈴木勇三医師、石川範和医師に話を聞いた。
病床逼迫「命の選択」現実に
――藤沢市でも感染者数が増え続けています。医療現場はどのような状況でしょうか。
鈴木医師「神奈川県全体で、8月27日現在、重症病床数は279床で利用率は89・25%、中等症病床数は1798床で利用率は80・92%です。この病床数は病床確保フェーズ4で各病院が最大限に捻出した数字です。基本的に80%を超えると他の診療が回らなくなる危険水準で、非常に逼迫した状態が続いています」
――現状の危機感を教えて下さい。
石原医師「病床を増やしてもすぐに埋まっていく状態です。保健所や医療機関の体制・機能はかなり逼迫していて、命にかかわる救急の医療にも支障をきたす恐れがあります。すでに普段の入院や診察が出来なくなって、救急車を呼んでも診察するのに何時間もかかる状態。恐れていたことが現実となっています」
加藤医師「神奈川県の黒岩祐治知事は、緊急性の低い手術や入院の延期などを一時停止するように要請しています。医療現場では、助かる命に優先順位をつけなければいけないような、『命の選択』が始まっている状況です」
デルタ株と気の緩み
――急速な感染拡大の原因は何でしょうか。
鈴木医師「今までのものよりも感染力がはるかに高い変異株『デルタ株』が大きな原因です」
山田医師「もう何十年も呼吸器の医師をやっていますが、こんなに急激に重症の肺炎を起こして呼吸不全に陥らせるウイルスは見たことがありません。まるで空気感染のよう。今までに経験したことのない恐ろしいウイルスだと感じています」
加藤医師「コロナ慣れ、気の緩みも大きな原因です。こんな状況でも街の人出は多く普通に生活している。少し熱があってもコンビニに行って買い物をしたりする。発熱外来ではコンビニの店員やタクシーの運転手の陽性者が多くなっています。世間の雰囲気にコロナ慣れを感じることにとても憤りを感じています」
対策と備えを万全に
――何に注意すればいいでしょうか。
加藤医師「感染対策はこれまでと変わらないが徹底してください。今は災害と言ってもおかしくない。いつ自分が感染したり濃厚接触者になってもいいように、2週間分くらいの食料品や生活必需品を買い置きしておくことも大切です。濃厚接触者になった方はPCR検査で陰性でも14日間の自粛を徹底して下さい」
「受診相談センターなどへの電話もつながりにくい場合があります。あらためて感染に対する意識を高めること、正しい行動をすることが自身や家族を守ります。私たちも最大限ワクチンが届けられるように努力していきます。ご理解とご協力をお願いいたします」
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