全国的に後を絶たない交通事故。藤沢市内では今年1月から8月末まで、藤沢署管内で344件、藤沢北署管内で305件発生している。前年同時期比では、それぞれ藤沢署がプラス36件、藤沢北署がプラス20件といずれも増加。両署では「不注意が重なった時に事故が起きてしまう。常日頃の譲り合い、思いやりが大切」と、より一層の注意を呼び掛けている。
神奈川県内の今年の人身交通事故発生件数は9月14日時点で累計1万4631件(前年同期比プラス1089件)。死者数は88人で前年比マイナス11人となっているものの全国でもワースト2位となっている。
また「かながわの交通事故」令和2年統計によると、同年中の県内の二輪車乗車中の交通事故死者数は50人で、全体の35・7%と高い割合を占めており、全国平均(19・4%)と比べても約1・8倍。重大事故につながるケースも少なくない。
藤沢署管内は死亡事故多発
藤沢署管内では9月8日時点で、死亡事故が5件発生、7人が命を落としている。同署によると、1999年に8人、翌00年に7人が亡くなって以来の数字という。
今年1月に鵠沼神明の県道で発生した、8人乗車の車が電柱に衝突した事故では、1人が死亡、6人が重軽傷を負った。5月には、鵠沼海岸6丁目の市道で85歳の女性がひき逃げされ死亡した。
7月には2件発生。1つは海沿いの国道134号線で、大型バイクが道路を横断中の2人をはね、はずみで投げ出されたバイクの運転手が前方で右折するために待っていた乗用車に衝突。バイク運転手と歩行者2人の計3人が死亡した。もう1つは村岡東の市道で自転車が転倒し、運転していた男性が亡くなった。
また今月7日には、再び国道134号線で、軽乗用車と大型バイクが衝突し、軽乗用車の助手席に乗っていた男性が死亡した。
発生した死亡事故の5件中4件は夜間に発生。混雑が緩和された空いている直線の道で、スピードを出しすぎ、死亡事故に至ったケースが散見されるという。同署は「法定速度を守り、安全確認を怠らないで」と警告している。
右折時の事故注意
藤沢北署管内では、車両対車両の右折時の事故は昨年に比べ14件増加している(7月末時点)。右折しようとしている車両が、対向の直進車両や二輪車、横断中の歩行者と衝突する事故が後を絶たないという。
例としては、対向車線の先頭車両が譲ったが、陰から二輪車が出てきて衝突するケースや、対向車線の先の横断歩道の歩行者に気付かず、はねてしまうことが少なくないという。
また、同署管内の人身事故の内訳を年代別にみると、中学生以下の子どもの事故が、前年同時期に比べ13件増加している。7月末時点で同署管内で28件発生。中でも、全国的に小学生の歩行中の事故は他の年齢と比べても多く、同署では「子どもは飛び出しによる事故が最も多い。子どもはもちろん、周りの大人も安全確認や徐行運転を心掛けてほしい」と話している。
そのほか、自転車事故も少なくなく、7月末時点で、藤沢署管内では前年比23件増の103件、藤沢北署管内では同7件増の68件となっており、全体の約2〜3割強を占めている。
警察庁ホームページによると、自転車乗車中の死者の致命傷の部位は頭部。乗車用ヘルメットを着用していない時に比べ、約3倍致死率が高くなっていることが確認されているため、幼児・児童が乗車する場合は特に、ヘルメットの着用を徹底するよう呼び掛けている。
秋の全国交通安全運動21日から
秋の全国交通安全運動が、9月21日(火)から30日(木)まで10日間実施される。30日は「交通事故死ゼロを目指す日」。「安全は 心と時間の ゆとりから」「高齢者 模範を示そう 交通マナー」をスローガンに、警察をはじめ、交通安全協会や安全運転管理者会、青少年交通安全連絡協議会など、各関係団体が運動を推進する。
同運動の重点は▽子どもを始めとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保▽高齢運転者等の交通事故防止▽夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止▽二輪車の交通事故防止。関係者らは「一人ひとりが交通ルールを遵守し、『交通事故に遭わない、起こさない』という意識を持って、事故防止に努める」と話している。
ポスター展も
小中学生交通安全ポスター展が、10月1日(金)から18日(月)まで市役所本庁舎5階ラウンジで開かれる。
児童・生徒に交通意識の高揚を図るとともに、広く市民に交通安全・事故防止を呼び掛けることが目的。公募された作品の中から、審査を経て、最優秀賞3点、優秀賞10点が決められる。
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