鵠沼海岸の北岡琳川(りんせん)さん(77)が、「第71回全国書道コンクール」(全日本書芸文化院主催)で最高賞となる代表賞を受賞した。全国から約9千点の応募があり、北岡さんは最上位となる総務部のかな部門で、古今和歌集に収録されている紀貫之らの和歌を書き受賞に輝いた。
「とってもうれしい。総務部という書道の上級者の中で選ばれたから」と喜びを語る北岡さん。作品は平安時代に詠まれた古今和歌集の歌。藤原行成が筆者とされる筋切(書写した文書)を選んだ。歌は紀貫之が「秋萩の花をばあめにぬらせどもきみをばましてをしとこそおもへ」と、兼覧王(かねみのおおきみ)へ詠んだ歌から始まり、兼覧王の返歌が続く。
「今までで多くの和歌を書いてきたが、今回のコンクールへは、この筋切を見て、半紙に書いた時の見栄えや書きやすさなどを考えて選んだ」と北岡さん。墨選び、紙選びからはじまり、50枚以上を書き、文字の配置やかすれ具合など、コンクールへは納得するものを提出した。
意欲は衰えず
北岡さんは30代半ばで、字が上手く書きたいと書道の教室へ通い始めた。最初は年賀状や手紙が上手くかけたらと単純なきっかけだったが、習っているうちに書くことが面白くなりのめりこんだ。
「女性には『かな』が合っている」という先生のアドバイスをきっかけに、かな書道を中心とし40代後半で師範を取得。今でも地域の人々に書道を教えている。
北岡さんが所属する総務部は、師範を取得してから、様々な賞を受賞し推薦を受けその一員になる。北岡さんは師範になってからも毎月の課題を提出し、コンクールに作品を出展した。
その意欲は今も衰えていない。「もっと上手くかけるようにと思ってやっている。創作は楽しいけれど苦しいもの。これからも細々とだけど続けたい」と話した。
北岡さんの作品をはじめ、同コンクールの優秀作品は、20日まで国立新美術館(東京都・六本木)で開かれている「第50回全書芸展」に展示されている。
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