神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
藤沢版 公開:2022年2月25日 エリアトップへ

藤沢市医師会理事 鈴木勇三医師インタビュー 3回目接種「高齢者いち早く」 医療体制維持へ影響懸念

社会

公開:2022年2月25日

  • X
  • LINE
  • hatena
すずき・ゆうぞう/医療法人篠原湘南クリニック クローバーホスピタル院長(医学博士)、市医師会公衆衛生・病診連携担当
すずき・ゆうぞう/医療法人篠原湘南クリニック クローバーホスピタル院長(医学博士)、市医師会公衆衛生・病診連携担当

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が全国的に遅れている。藤沢市も20日現在で19・01%と県平均(13・40%)を上回るものの伸び悩む。一方、オミクロン株による感染拡大に歯止めがかからない中、感染者は重症化リスクのある高齢者層にも拡大し、医療体制にも影響が出始めた。3回目接種の有用性について、藤沢市医師会理事の鈴木勇三医師に聞いた。

 ――3回目のワクチン接種が伸び悩んでいる。

 「オミクロン株は感染力が強い一方、デルタ株と比べると重症化しにくいとされる。ワクチンを接種しなければという市民のマインドが1、2回目よりも少ない印象だ。ただ、3回目接種は特に高齢者にはくまなく受けてもらいたい」

 ――理由は。

 「感染が重症化リスクの高い高齢者層にも広がっているからだ。高齢者は基礎疾患を抱えていることが多い。デルタ株のように直接肺炎になりにくくとも、基礎疾患にひもづく諸症状を悪化させる可能性がある。また入院が必要になればその分、病床を含む医療資源が割かれることになり、本来必要な治療や救急医療に影響が出ることが懸念される。実際、市内の医療現場もかなりひっ迫してきている状況だ。自宅療養者へのサポート体制も一部見直さざるを得なくなった」

 ――3回目接種の有用性について。

 「免疫には体内に入ってきた異物を攻撃する『細胞性免疫』と抗体を作る『液性免疫』があり、現在流通している『mRNAワクチン』は両方を誘導できる優れものだ。これまでの不活化ワクチンは液性免疫のみだった。オミクロンが重症化しにくいのはmRNAが細胞性免疫を誘導できることに起因するが、感染防止の観点では2回では足りない。逆に追加接種をすればオミクロン感染は4分の1に低減できるというデータもある。自らの命を守るだけでなく、医療のひっ迫を予防できる」

 ――ファイザー社製とモデルナ社製の違いは。

 「mRNAワクチンはmRNA量に比例して抗体価が上がる。モデルナ社製はファイザー社製よりも倍程度多く注入するため、その分抗体価が上がり、副反応も強い傾向がある。ただ、3回目は半量になることに加え、高齢者はそもそも副反応が少ない。むしろ高齢者が抗体を早く、強く上げるためにはモデルナが有効だ。集団接種が利用できる状況にある。いち早くモデルナ社製ワクチンを接種してもらいたい」

藤沢版のトップニュース最新6

市歌が発車メロディーに

JR藤沢駅

市歌が発車メロディーに

10月1日から使用開始

9月6日

50年の歴史に幕

イトーヨーカドー藤沢店

50年の歴史に幕

来年1月13日に閉店へ

9月6日

「逃げる」選択できる社会へ

「逃げる」選択できる社会へ

自殺対策 学生団体訴え

8月30日

体育館に空調整備へ

藤沢市

体育館に空調整備へ

小中学校6校が対象

8月30日

藤沢丸ごと芸術の場に

藤沢丸ごと芸術の場に

「建物を持たない劇場」始動

8月23日

ダイビング拠点を整備

片瀬漁港

ダイビング拠点を整備

地域活性や藻場再生視野

8月23日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 9月6日0:00更新

  • 8月30日0:00更新

  • 8月23日0:00更新

藤沢版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年9月6日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook