新型コロナウイルスワクチンの5〜11歳への小児接種が7日から藤沢市でも始まる。対象は約2万8千人で、20日までは重症化リスクの高い基礎疾患のある児童の優先期間とする。市は「(小児接種は)努力義務がなく、感染症に対する効果と副反応などのリスクについて理解した上で、接種を受けるかどうか検討してほしい」としている。
5〜11歳用のワクチンは、12歳以上とは別のファイザー社製剤で、有効成分のmRNA量は3分の1。3週間の間隔を空けて2回接種する。1月に国が特例承認した。
市は先月28日に対象者へ接種券を送付。対象は約2万8千人だが、3月中は国からの供給量が3400人分程度に限られる見通しであることから、20日まで▽心疾患、腎疾患などの基礎疾患があり、医師が早期接種を必要と認めた▽海外での長期滞在が予定される▽2010年4月生まれの―小児などを優先する。接種は市内30医療機関での個別接種。
厚生労働省などによると、同ワクチン接種の海外での発症予防効果は9割を超える。日本小児科学は1月に公表した提言で、基礎疾患のある子の重症化を防ぐことが期待され、健康な子への接種についても「意義がある」との見解を示した。
ただ、現時点でオミクロン株への十分な有効性を示すデータは得られておらず、予防接種法の努力義務は適用されない。同提言では、本人と保護者が発症予防のメリット、副反応などのデメリットを十分に理解する必要性も指摘している。
市ではこうした背景を踏まえ、「早期接種だけでなく、夏季休業期間の接種機会の充実などを含め、子どもの命と生活、権利を大切にするよう取り組む」としている。
「リスク減る」「副反応心配」揺れる保護者
同ワクチン接種を巡っては有効性や安全性に関する情報が乏しく、保護者の判断が分かれる。
「ピークが過ぎたとは言え、現状の感染拡大と重症化のリスクを鑑みて接種を受けさせたい」
小学生の娘を持つ40代の男性は接種に前向きだ。教職員でもあり、「集団生活を送る子どもや教員のことを考えれば肯定的に捉えている」と話す。一方、「差別につながらないよう、学校では接種について一切触れていない」という。
副反応などのリスクから慎重な意見も少なくない。3人を育てる40代男性は「成長段階の子どもへの影響が未知数。現状では不安の方が大きい」、5歳の子がいる30代男性は「接種が進んでも感染者数は一向に減らない。接種の意味があるのか」と話し、いずれも打たない選択をした。
2人を育てる40代女性は接種をさせるかどうか、決め切れていない。「自分が経験した副反応を子どもに強いる抵抗感もある。もう少し様子を見て決めたい」。別の40代女性は「子どもの意思を尊重したい。ただ打つにしろ、打たないにしろ同調圧力が生まれてほしくない」と懸念した。
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