江の島サムエル・コッキング苑内にある松本館でそば打ちを体験を提供してきた片瀬メンズクラブの「そば道場」が18年の活動に終止符を打った。代表の中島徹さん(87)は「長きに渡るメンバーの努力に感謝している」と話す。
松本館は、友好都市の松本市のPR活動をするために2003年に設置された。そば道場はその目玉の1つとして、同市で有名な信州そばを活用した企画としてスタート。市観光協会との縁があった地元市民グループ・片瀬メンズクラブに所属する20人が担当することになった。
始まりは、一人も本職がいない状態。同年9月に松本市からそば打ち名人を招いて行われた講習を元に独自に練習を重ね、10月には第1回の体験教室が開かれた。
その後、月2回、定期的に道場を開催。ピーク時には年間500人もの体験者が訪れ、そば打ち目当てに観光バスで来る団体や、日本文化を楽しみたいという海外からの観光客などが訪れる人気企画になった。市観光協会の湯浅裕一会長は「観光振興に貢献してくれた」と感謝を口にする。
功績は体験指導に留まらない。腕を上げたメンバーは地元イベントで松本、藤沢両市と協力し1日1千食を振舞ったことも。米軍航空母艦ジョージワシントンの艦長夫人が松本館を訪れた時には同館で手打ちそばを提供。艦長直々の歓待を受けた経験もあった。
今回、市観光協会の管理から松本館が離れることもあり、道場も終了。先月23日には同協会から感謝状が贈られた。
中島さんはコロナ禍で中止が続いた先の幕引きに「そばに対する思いをもてあましている」と寂しさをにじませる一方で「チャンスがあれば、どこかで再チャレンジも」と意欲ものぞかせた。
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