江の島と片瀬海岸を舞台に様々な分野の芸術が一帯を盛り上げる初の「江の島国際芸術祭」が11日、開幕した。市や市観光協会などから成る「湘南藤沢ナイトツーリズム推進協議会」の主催。新緑が美しい風光明媚な環境の下、アートや歴史文化を切り口に新たな春の風物詩を生み出し、四季を通じた「通年型観光」の推進を図る考えだ。5月31日まで。
市などはこれまで、夏の海水浴シーズン以外にも観光客に足を運んでもらおうと、四季を通じた観光振興に注力。江の島では冬に関東三大イルミネーションにも選ばれる「湘南の宝石」、秋には1万基のろうそくが彩る「湘南キャンドル」が開催され、夜に楽しむ新たな観光の確立とともに誘客に奏功してきた。
一方、春の集客策が乏しいことや、局地的に観光客が集中する「オーバーツーリズム」も徐々に顕在化。そこで着目したのが、芸能芸術を司る江島神社の弁財天信仰や、古来、浮世絵の題材に描かれてきた風光明媚な景観だった。
テーマは「市民参加型の総合芸術祭」。空の色をコンセプトに期間中、島内の軒先には夕焼けをイメージしたのれんを掲出するほか、屋外の複数の会場でイベントと連動した企画を実施することで江の島や片瀬海岸を周遊してもらう。総合監督には多摩美術大学教授でデザイナーの藤原大さんを迎え、浮世絵から湘南ゆかりの作家による現代アートまで14本のコンテンツを用意した。
同協議会事務局で江ノ島電鉄の村上聡さんは「誰もがアートを楽しめる芸術祭。今回を皮切りに今後5年、10年かけてイベントを作り上げていきたい」と意気込んだ。
5月31日まで イベント多彩
メイン会場の江の島サムエル・コッキング苑では、数百個のミラーボールが幻想的に彩る「MIRROR BOWLER光アート〜春の宵」(〜4月24日)を開催。江の島シーキャンドルでは展望フロアなどに地元作家の作品を展示する(4月23〜5月31日)ほか、市所蔵の浮世絵と湘南の風景画像を映すアート空間も設ける(5月14・21・28日)。
島内参道入り口の青銅鳥居から江の島岩屋までを辿りながら歴史文化に触れるウォーキング企画も実施(〜5月31日)。江島神社では鎮座1470年を記念し、源頼朝が奉納したとされる石額を展示する。
片瀬海岸では、砂浜に夕日色に染まったフラッグがなびく「カラーハンティング」(5月15日)や、ビーチクリーン、ビーチアート(4月17日・5月15・22日)などを予定。写真家、市川紀元さんの写真展(4月29日〜5月4日)もある。
各イベントの詳細は同芸術祭ホームページ(https://www.enoshimart.com/)。問い合わせは同協議会事務局(江ノ島電鉄内)【電話】0466・25・3525へ。
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