古くから東海道の宿場町として栄えた藤沢。明治期からは別荘地が形成され政財界人や文化人が滞在、交流する地域として発展してきた。当時の佇まいを今に伝える建造物の保全や利活用を行う市民グループ9団体で構成される「湘南藤沢文化ネットワーク」は10周年を迎え、記念展をあす6月4日(土)から蔵まえギャラリー(藤沢630の1)で開く。関係者は「貴重な有形文化財に光をあてて、市民に身近に感じてもらいたい」と話す。
2011年1月、それまで「湘南邸園文化祭」に藤沢エリアから参加していた5団体が発起人となり設立した同ネットワーク。「緩やかに連携し、藤沢の歴史資産や文化を生かしたまちづくりと次世代への継承」を目的に活動を開始した。
現会長の伊東直昭さん(62)=辻堂・藤沢今昔まちなかアート実行委員会=は「市内の登録有形文化財は当時2カ所と現在より少なく、歴史建造物の保全、維持管理の費用負担の難しさもあった」と振り返る。
発足時から「おとなの遠足」と銘打ったまち歩きイベントを通算34回実施したほか、昔の暮らしぶりを体験する「親子教室」、大学教授など識者を講師に招く「蔵まえ講座」も実施。昨年度は、旧桔梗屋の保全計画の提案や、旧稲元屋、有田家の庭園整備も行った。
隔年開催してきた「藤沢のひなめぐり」は今年2月、市との共催で4件の登録有形文化財など14カ所にひな飾りを展示した。副会長の廣田邦夫さん(72)=高倉・歴史散策の会=は「建物内部を見学しながら、人形を見れるとあって好評。今後も続けて市民にとって歴史建造物が身近になる機会にしたい」と話す。
展示は10年間の歩みと現在の構成9団体(善行雑学大学、鵠沼の緑と景観を守る会、蔵まえギャラリー、旧モーガン邸を守る会、藤沢今昔まちなかアート実行委員会、東海大学小沢朝江研究室、鵠沼景観まちづくり会、歴史散策の会、盛岩寺昭和文化館)の紹介のパネル展示、活動の映像放映も行う。
6月12日(日)まで。午前11時から午後4時。入場無料。会期中7日(火)午後2時から「レコードカフェ」(300円)も。(問)同ギャラリー【電話】0466・25・9909
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