摘出医、移植医として「湘南アイバンク」の活動に協力する 秦野 寛さん 藤沢市在勤 73歳
医療と音楽で響かせる光
○…視力を失った患者に光を取り戻す角膜移植。眼科医としてドナーの眼球摘出、患者への移植手術に携わり40年超になる。地元の開業医として湘南アイバンクの活動周知へも協力。共にチャリティーコンサートを開催してきた。「医学と音楽の力で患者たちに光を届けたい」という医師としての誇りと熱い思いが原動力だ。
○…高倉出身。横浜市立大学医学部で偶然、同窓の湘南高校出身の教授と出会い、導かれて眼科の道へ。40代で地元へ戻り、ルミネ藤沢ビルで開業した。留学先のサンフランシスコUCの紋章「ラーの目」を掲げ、地域医療に尽力。「地域に支えられて今がある。医療の力で恩返し出来たら」と力を込める。
○…一方で「ベストを尽くしても失明してしまう患者もいるのが現実」と唇をかみ締める。医師として何ができるのか。たどり着いたのが「音楽の力」だった。約10年前に視覚障害者らに音楽療法を試みるNPO法人を立ち上げた。「音楽には自分も救われたから」と穏やかに語る。子どもの頃から音楽好きで、長後小学校の時に教師が聞かせてくれたベートーベンの『田園』は、針がレコードに落とされた時の微かな雑音に至るまで覚えているほど。大学時代バイオリンを衝動買い。勉学の傍らレッスンに通い、演奏の楽しさに目覚めた。横浜交響楽団ジュニアオーケストラ、藤沢市民交響楽団に在籍し現在はリラ弦楽合奏団に所属。サクソフォンにも挑戦している。
○…角膜移植には死後12時間以内の摘出など制約も多い。湘南アイバンクはボランティア団体。利益ではなく「誰かを救いたい」という思いで続ける移植活動を「命を繋ぐリレー」と誇りを持って名乗り、「かっこいいでしょ」と笑った。
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