コロナ禍で疲弊した観光業の活性化に向け、藤沢市は今秋をめどに市内宿泊施設の利用者に対し、1泊5千円の補助を盛り込んだ新事業を実施する。人気イベントと連動した宿泊者限定の観光体験のほか、飲食店や土産物店で使える割引やサービスなど特典も付与。近隣市町村を含む幅広い客層をターゲットに宿泊型観光を推進し、観光業の回復と振興を図りたい考えだ。
事業は10月から来年1月を想定。市は延べ3万泊分の補助などを盛り込んだ関連事業費約1億8100万円を、2022年度一般会計補正予算案に計上した。今後、市議会の議決を経て市や市観光協会、経済団体らから成る実行委員会を組織し、準備を進める。
市によると、昨年1年間に市内を訪れた観光客は約1335万人。前年比で約180万人増加したが、依然観光業や宿泊施設は厳しい状況が続く。市が実施した21年10月〜22年3月期の景気動向調査によると観光、ホテルの業況は「やや悪い」で、実情が浮き彫りになった。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で旅行者の意識も変化。遠方よりも近隣観光を楽しむ「マイクロツーリズム化」が顕著になっている一方で、より消費単価の高い宿泊観光の掘り起こしが課題となっていた。
新たなモデルに
江の島では近年、誘客効果の高い宝探しイベントのほか、「関東三大イルミネーション」に選ばれる「湘南の宝石」など夜間コンテンツも充実。こうした人気事業へと誘導を図りつつ、飲食店や土産物店が独自に用意する割引やサービスとを連動させることで、経済波及効果につなげたい考えだ。ポストコロナを見据え、新たな観光モデルの確立を図る狙いもある。
市は同事業の付加価値を高めるため、国の観光支援事業「Go Toトラベル」との併用を可能とするほか、市などが発行する観光情報誌の内容を充実させることで、幅広い層への訴求を図るとしている。
市観光課は「消費底上げのためには、宿泊観光は不可欠。経済の回復と振興に向けて、推進していきたい」と話した。
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