新型コロナウイルスの感染対策として子どもたちが会話せずに給食を食べる「黙食」を巡り、藤沢市教育委員会は21日までに現状の対応を維持する方針を明らかにした。大声を出さないことを条件に会話を解禁する自治体が出始める中、市民からも緩和を求める声があがっていたが、依然感染者が発生している状況で感染リスクが払拭できないことから「今のタイミングで対応を変えることは難しい」としている。
「いただきます」
22日、藤沢市内の小学校で給食の時間が始まると子どもたちがマスクを外した。机は同じ方向を向け、教室内には食器の音だけが響く。
藤沢市教委は、コロナ禍で一斉休校中だった2020年5月に市内全小中学校に「児童生徒が対面して喫食する形態を避け黙食とする」旨を通知。文部科学省が示す「衛生管理マニュアル」や県教委の方針に沿った対応で、給食が再開されてから約2年間、全校で黙食が続いている。
学校関係者の一人は「黙食が長く、低学年の子にとっては当たり前の光景になってしまった。早く本来の状況に戻ればいいのだが」と児童を思いやる。
会話解禁の自治体も
一方、全国的には感染者数の減少に伴い、黙食を緩和させる動きもある。福岡市教育委員会では13日付けで市内小中学校に「大声でなければ会話は可能」と通知。給食時の会話を解禁した。
藤沢市の児童生徒や保護者からも緩和を求める声があがる。現在開会中の市議会6月定例会に、有志の保護者らが黙食の緩和などを盛り込んだ陳情を提出。1100筆超の署名を添え、マスク着用や給食のあり方の見直しを訴えた(陳情は委員会採決で趣旨不了承)。
ただ、藤沢市でも感染者数は減少傾向にあるものの子どもの陽性者は一定数おり、16日には市内中学校で学年閉鎖もあった。市教育指導課では「児童数が千人を超える小学校も複数ある中、飛沫防止対策は欠かせない。このタイミングで対応を変えることは難しい」と説明。今後については「感染状況を踏まえながら引き続き対応を検討する」とした。
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