ブランコや鉄棒といった公園にある遊具。市内にある湘南台公園には「埴輪」が設置されているのをご存じだろうか。それも、高さ1m超えの大きな埴輪が9つ。なぜこんなところに埴輪が。そもそもこれは遊具なのか。物言わぬ埴輪に問うても答えはなく、同園を管理する藤沢市へ聞いた。
開園当初 幻の古墳広場
9体は湘南台公園の一角、テニスコートの隣にある遊歩道の脇に並ぶ。地元の人からは「埴輪の道」などと呼ばれることもあるという。
埴輪は、古墳時代の墓である古墳から発掘された人や動物をかたどった土製品。同園の物はコンクリート製。実際の発掘品をモデルに、専門業者に発注して造られた。「触っていただいて大丈夫」と市公園課の亀ヶ谷彰久さんは話す。
それぞれ名前が付けられており、鎧をまとった「武人」、クロスした帯の「巫女」、とがった帽子の「男子」、胸の前に物を持つ「女子」、馬具を身に着けた「馬」のほか、ごっこ遊びには「家」「船」が人気のようだ。高さ63cm、筒状の胴体の上に顔のようなものがある謎の物体は「動物」というが、亀ヶ谷さんは「何の動物なんでしょうね。少なくとも動物園では見たことない」と頭をかく。
1973年の開園当時に設置。同園は地域のシンボルの一つとして計画され、湘南台の自然景観を模した芝生広場や、境川をイメージした小川も造られた。大規模土地開発で同地域から多数の遺物が発掘されたことに伴い、公園に前方後円墳を形取った広場と埴輪が設置されたという。
しかし、98年頃の地下鉄敷設で同園も工事域に重なることに。地下鉄の路線上には安全面確保などから施設を設置できず、古墳型広場は無くなってしまった。埴輪は場所を変え設置され現在に至る。
今日も埴輪は公園を静かに見守り続けている。
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