県立湘南高校(池辺直孝校長)が老朽化した同校の多目的ホールの改修に向け、広く寄付を募っている。建物の完成から30年近くが経過し、照明や音響機器の一部が故障。関係者によると「いつ使えなくなるか分からない状態」だが、同校では優先度の高い改修事業が先行していることから県の予算がつかず、生徒自らが寄付を呼び掛けることにした。
多目的ホールは、校舎が全面建て直しされた1995年に完成。舞台や約400の客席を備え、学校説明会や講演、部活動の練習などに活用されている。
同校によると、昨年からホール内にある一部照明機器の不具合が目立ち始め、一時は全ての照明が点灯しないこともあった。現状は使用自体はできるものの、照明や音響の操作盤も反応しない箇所があるという。
同校では現在老朽した校舎の屋根やトイレなどの大規模改修が進む。ホールの照明は「施設のデザインに合わせて購入した一点もの」といい、取り替えには高額な費用が必要になる。操作盤や音響機材などの更新を含めると3千万円近く必要なことが分かった。
そこで県のまなびや基金を通じて、改修費を募ることに。卒業生を中心に7月末までに380万円余りが寄せられた。
「輝ける舞台に」
寄付金を集めるにあたり、同校放送部の生徒らが独自に動画を制作。演劇部や吹奏楽部、ジャグリング部が暗闇の中、演技や演奏をする様子を紹介し、「高校生が輝けるスタート地点にしたい」と訴えている。放送部部長の三輪安希歩さん(16)は「目標金額のハードルは高いが、皆の思いを込めて制作した。OBOGだけでなく、ぜひ一度動画を見てほしい」と呼び掛ける。
動画は同校同窓会「湘友会」ホームページか、動画配信サイトのユーチューブから閲覧できる。寄付方法は動画の概要欄に記載している。
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