「成人の日」の9日、藤沢市民会館で式典が催され、晴れ着に身を包んだ2416人が参加し、門出を祝った。昨年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられてから初の成人の日となったが、藤沢市では「はたちのつどい」と銘打ち、従来通り20歳を対象に実施。対象者は前年比24人減の4236人だった。
式典は感染症対策のため、参加者の出身校区を南北に分け2部制で実施。国歌や市歌は声を出さない「静聴」とする一方、3部制だった昨年よりも1回あたりの時間を50分から70分に、会場の定員も50%から70%に拡大した。
記念事業は有志の実行委員4人が半年ほど前から企画。「Departure〜無限の未来へ向かって」をテーマに、藤沢を拠点に活動する「湘南ドルフィンズ・マーチングバンド」が演奏を披露したほか、藤沢市出身で日本テレビアナウンサーの辻岡義堂さんがサプライズ登場=関連記事=し、花を添えた。
実行委員長の小河阿弥さん(19)は「参加者の皆さんに喜んでもらえて企画した甲斐があった」と振り返り、副委員長の小野木真生さん(20)は「成人年齢は引き下げられたが20歳は人生の節目。大人の世界へ旅立つ記念になれば」と晴れやかな表情を見せた。
コロナ禍でも前向きに
2020年1月に新型コロナウイルスの全国初の感染例が確認されてから間もなく3年。今回の式典参加対象者の多くは学生時代をコロナ禍の影響下で過ごした。
村岡中出身の吉田智紀さん(20)は大学生活を振り返って「オンライン授業が多く、遊ぶのはもっぱら地元の友達ばかり。これからは大学の友人も作りたい」と話す。
同中出身の齋藤礼旺(れお)さん(19)は作家になるのが夢。大人の実感こそ薄いが「選挙権が与えられ、一つ一つの発言に責任が問われると思う」と表情を引き締める。藤ヶ岡中出身の川戸霧竜(きりゅう)さん(20)も「今日を機に大人の自覚を持って過ごしていきたい」。選挙は18歳から投票しており、今春の統一地方選でも一票を投じる予定という。
片瀬中出身で専門学校2年の熊谷彩(さや)さん(同)は4月から紅茶専門店の販売員になる。「社会人になるので、大人の自覚を持ちたい。一人暮らしができるよう家事もがんばりたい」と意気込む。
藤沢の好きなところを尋ねられると「平和で皆優しいところ」とマスク越しにほほ笑んだ。
ゲストに辻岡さん「困難な道選んで」
会場には片瀬小出身で、日本テレビのアナウンサーとして活躍する辻岡義堂さん=写真=が登場。参加者に向けて一つだけ伝えたいこととして、「人生の岐路に立たされたとき、困難な方を選んでほしい」と呼び掛けた。自らも実践してきたといい、「挑戦をすれば成功と失敗が生まれ、自らの成長につながる。迷ったら『全部GO』。そうすればかっこいい大人になれる」と若者らにエールを送っていた。
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