35年以上にわたり鵠沼の住宅街の道の真ん中にある電柱が、3月末までを目途に撤去工事されることが分かった。「長年居座る電柱」はそもそもなぜ存在するのか、市担当課や近隣住民へ取材を進めた。
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JR藤沢駅北口から徒歩15分ほどの住宅街。狭い路地の突き当り、丁字路に一本の電柱がある。調べると道幅約3・4mのちょうど真ん中ではなく、電柱を隔てて1・1m、2・3mの道幅がある。軽自動車でも通るのは難しく、知らずに進入してきた自動車はバックで戻る様子が見られた。
道路を管理する市道路管理課は「昭和63年頃に道路の拡張に伴うセットバック(壁面後退)が行われ、電柱だけが見落とされていたのではないか」と推測する。当時建築基準法の改正に基づき、セットバックを実施したが、設置に関する資料や当時の担当者はすでに退職しており、「追跡調査中」という。
昨年2月、市民からの要望を受け、市は東京電力と移設を検討。今月25日から工事を開始した。市は「現状、緊急車両の通行もできず市道として通常の状態ではない。市民の安全確保のため工事を行う」とし、同様の道路があれば市の「狭あい道路整備事業」の制度を活用し、土地所有者の協力を得て幅員確保を行うという。
住民困惑の声も
近隣住民に話を聞くと、さまざまな声が上がった。ある女性は「高齢者も住み木造住宅もあるエリアなので、万一のことを考えると救急車や消防車が通れるようになるのは安心」と話す。
一方、長年住む住民からは困惑の声も。「この場所に電柱があるのは当たり前の光景。車の通行が少なく済んでいた」。近隣保育所の園児らが通り添いの錦公園へ散歩する姿も日々見られ「この電柱が無くなっても、安全確保の対策はしてほしい」とこぼした。
工事は今後、電柱よりも約1m道路脇に新たな電柱を立て、電線を移設。その後電柱を引き抜き、3月末までに道路舗装を実施するという。
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