藤沢市は高齢化社会を背景とした墓地需要を見据え進めてきた大庭台墓園(大庭3782)の整備計画について、当初の計画を変更し、立体墓地の新設を一時中断とし、合葬納骨壇からの改築が必要となる合祀墓のみの建設を行うことを決めた。資材価格高騰を受け概算工事費が約11億円増の約42億円に膨れ上がる想定となったため。今後は合祀墓の設計業務委託に着手し、2025年度の利用開始を目指す。
高齢化に伴う「多死社会」の到来を前に、全国的に墓所不足対応が急がれている。少子化による墓じまいの増加から血縁に関わらず複数の遺骨をまとめて埋葬する合祀墓の需要が増すとされ、市も対策に取り組む。
市は20年度に「大庭台墓園立体墓地再整備基本構想」を策定し、墓所の再整備を計画。今後20年間の需要に対応するため、普通納骨檀3千区画・集合納骨檀1千区画・合葬納骨檀1万5千区画を含む「立体墓地」と、2万体分の合祀墓を一体的に整備。25年度に供用開始する方針をまとめ、概算工事費を約32億円としていた。
しかし、市は22年9月の市議会厚生環境常任委員会で、資材価格高騰が影響し概算工事費が約47億2500万円に膨れると説明。このままでは墓地使用料の大幅高騰が見込まれるため、計画の見直しに取り組んできた。
工事費縮減の検討を行い、内外装などの精査を行ったが、縮減は約5億4200万円に留まり、概算工事費は約41億8300万円、利息を含めた借入返済総額は約47億7600万円に。保有する墓園基金約10億円は、施設修繕など事業継続のために必要な費用のため、計画の大幅見直しになった。
市は2月の市議会厚生環境常任委員会で見直し後の計画を説明。合祀墓は、25年度から合葬納骨檀からの改装が必要のため継続とし、立体墓地を「一時中断」とした。
合祀墓の供用開始は当初の計画通り25年度を目指し、23年3月以降に設計業務委託に着手する。今後の立体墓地の計画について市福祉総務課は「資材高騰がいつまで続くか分からない。できるかどうかも含めて検討したい」と話した。
大庭台墓園は市が管理。1970年に開設し、立体墓地や芝生墓地を含む約36万9千平方メートルの敷地を持つ。
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