自転車を利用する際のヘルメットの着用が全年齢で努力義務化された改正道路交通法が1日、施行された。施行から20日余りが経過したが、藤沢の街なかで着用する人はいまだ散見される程度。道行く人からは努力義務化されたこと自体を知らない声もあがっており、今後市町村単位でも啓発が課題となりそうだ。
駐輪場では「1日10人未満」
17日、藤沢駅北口にある市営駐輪場。朝8時頃、記者が目視した自転車の利用者50人のうち、ヘルメットを着用していたのはわずか1人だった。駐輪場職員は「新しく着用する人もいるが、把握できる限り、着用する人は多くても日に10人もいない」と明かす。
従来の道交法では、ヘルメット着用を努力義務とする対象は13歳未満の子どもに限られた。改正後は「自転車の運転者は乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない」と改められ、前後の同乗者についても同様の努力義務を課す条項が盛り込まれた。
警察庁が2、3月に13都府県で調べたヘルメット着用率は4%。神奈川県は3・6%にとどまる。改正道交法の施行を前にヘルメットを販売する市内の専門店からは「前年と比べて3倍ほど販売個数が増えた」との声もあるが、現状は浸透してるとは言い難い。
こうした状況を受け、県警も啓発活動に力を入れる。藤沢署では19日までに市内の駐輪場や交通安全教室でヘルメット着用の呼び掛けを行い、藤沢北署では同署前でチラシ配りなどを行った。
北署の板垣武志署長は「努力義務化後も街中を見るとまだまだ浸透していないように見える。自分の命を守るため、ヘルメットの着用をしてほしい」と呼び掛ける。
致死率2倍も 着用呼び掛け
警察庁によると、全国で2018年から22年に起きた自転車乗車中の死亡事故は2005人。そのうち1116人が頭部を損傷していた。ヘルメットを着用していない場合、致死率が約2・1倍高まる計算という。
藤沢市内では22年、計1097件の人身事故が発生。そのうち360件が自転車が関連する事故だった。
16日、辻堂の商業施設にヘルメットを着用して訪れた親子連れは「少し前から子どもの安全面も考えて着用している」と説明。一方、未着用で自転車を運転していた女性は「着用が努力義務になったことを知らなかった。安全のためには今後着用も考えたい」と話した。
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