世界を股にかけて武者修行し、今春藤沢に凱旋するプロバレエダンサーがいる。小笠原征諭(せいゆ)さん(26)=本鵠沼出身。17歳でロシアの名門バレエ学校に編入。卒業後は現地のバレエ団でヨーロッパを中心に40カ国以上で通算千公演近く踊り続けてきた。今夏、地元藤沢で恩師のバレエ団の発表会にゲスト出演を予定し、藤沢を拠点に国内での活動を本格化させる。
「本場で磨いた感性や技術を地元の皆さんや祖母をはじめ家族に見てほしい」
感慨深げに話す小笠原さん。結婚を機に3月、藤沢に帰国し、現在は「牧阿佐美バレエ団」に所属する。
8歳で本町にある「小倉佐知子バレエスタジオ」でバレエを始めた。当時、ブルース・リーやトム・クルーズに憧れ、アクション俳優を夢見てテコンドーや空手、野球にも熱中。そんな中、腎臓に病が見つかり、医師から「大事をとって一つに」と告げられ選んだのは一番最後にはじめ、一番楽しいと感じていたバレエだった。
「練習するほど技術が身に付く」。それが自らにとってのバレエの魅力。プロになるとの決意も幼くして固まったという。
鵠沼小学校、鵠沼中学校を経て、七里ヶ浜高校在学中に留学オーディションを受け合格。15年には第3回湘南バレエコンペティションで「シニアP部門優秀賞」「藤沢商工会議所会頭賞」も獲得した。
高2の夏から、単身ロシアへ。名門の国立ワガノワバレエ学校に編入した。
朝から晩までバレエに打ち込める設備、環境。170cmの身長は他学生と比較し「プロポーションでは敵わない」と考えたこともあったが、「表現力、テクニック、魂から出る自然な演技力は誰にも負けない」とくらいついた。
卒業後プロに。19歳から25歳にかけ、サンクトペテルブルグバレエ団やチェコバレエ団に所属。ヨーロッパを中心に「毎日舞台に立ち、踊り続ける」。その信念で体力の続く限り、1日2、3公演に出続け年間200公演、40カ国通算1000近く場数を踏んだ。
今夏、藤沢市民会館の舞台に凱旋する。恩師の「小倉佐知子バレエスタジオ第29回発表会」(8月13日(日))などにゲスト出演する予定だ。「皆さんに成長した自分の姿を見てもらい、エネルギーを感じてもらえたら」と意気込んだ。
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