新型コロナウイルスの感染症法の扱いが8日、季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行し、マスク着用や療養を個人が判断する新たな日常が始まった。藤沢市内でも医療機関の面会制限や学校で感染対策が緩和されるなど変化がみられた一方、公共交通機関ではマスクを着用する人の姿は依然多く、感染リスクへの懸念が根強い実態も浮き彫りになった。
「いただきます」
10日、滝の沢中学校で生徒らの声が響いた。2年生の学級では机を向き合わせ、生徒らが談笑に花を咲かせた。マスクを着用する生徒がほとんどだったが、無着用の生徒の姿も。全員が前を向いて黙って食事をする「黙食」時と比べれば大きな変化だ。
市教育委員会は4月からはマスクを原則不要とし、黙食も求めていないが、学校現場では手探りの状況が続く。昼食時、男子生徒の一人は「話をしながら食べる方が楽しい」と語る一方、女子生徒の一人は「顔を見られるのが恥ずかしい」とマスクを外すのに抵抗感があると明かした。
担任の澁谷錬教諭(38)は「生徒たちはマスク着用が習慣として根付いている。コロナ前に戻るにはまだ時間がかかるのでは」と説明。別の男子生徒は「外しても楽しいと感じられる雰囲気が作っていけたら」と前を向いた。
病院で面会再開
医療機関では、藤沢市民病院が8日から全ての病棟で入院患者への面会を再開させた。1人30分以内の制限はあるものの、全病棟の解禁は2020年12月以来約2年半ぶりだ。マスクの着用は引き続き求める。
客入り歓迎
飲食店や商業施設でもノーマスクやアクリル板撤去などが進む。藤沢駅北口の居酒屋「なお吉」では感染拡大のピーク時客席にビニールカーテンやアクリル板を設置していたが、いずれも撤去した。マスク着用も従業員個人にまかせている。
南口の居酒屋「ありがとう」では、国が対策緩和を発表した3月から客席のアクリル板を撤去。スタッフのマスク着用は現状続けている。
両店とも、新型コロナの5類移行が報道されるようになってから客足が上向いているといい、新たな日常への移行を歓迎する。ありがとうではゴールデンウィーク期間は昨年の1・5倍ほどの来客があったといい、店長の高木尚輝さん(28)は「久しぶりに居酒屋をやっている実感が得られた。これまでの分、もっと活気が出れば」と期待を膨らませた。
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