藤沢市を拠点に若年性認知症の人を支援する団体「絆会」が独自の活動で当事者や家族の支援を行っている。同会の伊草光一代表は「高齢者の認知症に比べて、若年性認知症の社会的な認知度はまだ低い」とし、今後も積極的な支援活動を行う。
認知症は一般的に高齢者に多い病気だが、65歳未満で発症した場合は「若年性認知症」と呼ばれる。当事者や家族が現役世代である場合、仕事を続けられなくなることで経済的な問題が起きるなど、社会的な影響が大きい。若年性の場合は生活の変化を当事者や家族が気づいても受診が遅れるなど、潜在的な発症者も多いという。
絆会は、若年性認知症の当事者や家族を支援するため、有志7人が集い4月から活動を開始した。若年性認知症を専門で支援する団体としては市内で唯一。
毎月の定例会では、本人や家族同士の交流を深め、経験談などや悩みを語り合う。若年性認知症専門の支援コーディネーターを招き、介護や障害者支援の制度など、具体的な相談にも答える。
先月26日には、参加者ら20人で鎌倉市の大船フラワーセンターで散歩会も開催した。活動内容について伊草代表は「部屋のなかで話し合うことも大切ですが、時には外に出るなど、これから色々なことを企画していきたい」と笑顔で話す。
交流が心の支え
伊草代表の夫人が若年性認知症を発症したのは8年前。「妻はまだ54歳で『まさか』という考えが先に出て、認知症とは気づかなかった」と振り返る。介護をしながら自身が営む造園業の仕事を続けたが、一番の悩みは「どこに相談したら良いのかわからなかったこと」だという。当時鵠沼で活動していた支援団体の交流会に参加したことが、心の支えとなった。
自身の経験から、若年性認知症で悩む当事者や家族を支援する団体の必要性を感じ、昨年末から市保健所や専門家に相談し団体の立ち上げに動き出した。同じ志を持つ仲間や市社会福祉協議会の協力も得て活動拠点を定め、4月から本格始動した。活動は基本第3金曜日で場所は市役所分庁舎。隣接する横浜市や茅ヶ崎市からの参加者も受け入れる。定例会の初回参加は【電話】0466・50・3593(市保健予防課)に申し込む。
伊草代表は「認知症になると生活が自宅だけになりがちですが、定例会などで少しでも外出する機会を作って、日々の悩みやストレスの解消につなげてもらえたら」と参加を呼びかける。
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