新型コロナウイルスの感染症法の位置づけが5類に移行して迎える今年の夏は、近年を大幅に上回る観光客が海を訪れることが予想される。来訪者の増加は地域の経済活性化につながる一方、海岸に放置されるごみは長年の地域住民の悩みでもある。本格的な夏を前に、海辺の現状を取材した。
辻堂橋周辺の海岸では、休日になると多くのバーベキュー客などでにぎわう。近隣に住む70代の男性は「多くの人が来る連休の後などには、ごみが捨てられていることがある」と話す。
海岸利用者が放置するごみは、地域にとって長年の課題だ。食材を放置するとカラスやトビが集まり、さらにごみを散乱させる。土に埋めても自然に分解されない炭を残して帰る人や、コンロなどの機材をそのまま捨てるケースもある。
一方で、「昔はごみが山のようになることもあったが、最近はマナーが向上して以前ほど捨てられなくなった」という声もある。
相模湾沿岸を中心に海岸美化の啓発を行っている(公財)かながわ海岸美化財団によると、河川漂着物を含む藤沢市内の海岸ごみは2021年が574t、22年は277tと半減した。
先月28日に同財団が市と共催したビーチクリーンイベントも、参加者が昨年の約3800人から今年は約4200人に増えた。「マナー意識は数年前に比べて向上している。ボランティア活動に積極的に参加する人も増え、海岸に放置されるごみは減っている実感がある」と同財団は分析する。コロナ禍で火が付いたアウトドアブームも、マナーアップを後押ししているという。
海岸への来場者が大幅に増加すると予想される今夏については、「減少傾向ではあってもまだゼロではない。ごみが新たなごみを呼ぶので、海岸を利用する時はしっかりと持ち帰ってほしい」と呼び掛ける。
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