本鵠沼在住の会社経営者、生田洋介さん(52)が先月18日、世界最高峰エベレスト(8848m)の登頂を成功させた。2020年に登山を計画してから足掛け4年。コロナ禍やトラブルに見舞われながらも準備を重ね、念願を実現させた。今後は七大陸の最高峰を登る「セブンサミット」にも意欲をみせている。
「ほっとしているのが一番かな」。快挙の感想を問われると安堵の表情を浮かべ、そう答えた。
エベレストを目指して4月8日に出国。ネパール側から19日にベースキャンプ入りし、約1カ月かけて高度順応しながら頂点を目指した。
19年にアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(5895m)、20年に南米のアコンカグア(6960m)を登り実績は積んでいた。それでも、世界最高峰の過酷さは群を抜いていた。
零下30度の極限。防寒具を突き抜ける寒さで四肢の感覚が鈍り、頂上が近づくにつれ酸素吸入をしても息が続かない。崩落の危険、いつ起きるか分からない雪崩―。
生田さんによると、今シーズンのエベレスト登頂成功率は52%。死者は過去最多の17人にのぼったという。実際に息が絶えたと思われる登山者も目にした。「一つ間違えれば命を落とす。登山が死と隣り合わせなのだと感じた」と振り返る。
登山を決めたのは19年秋ごろ。20代で始めた多種目の競技でゴールを目指す「アドベンチャーレース」でキリマンジャロを訪れたのがきっかけだった。
会社員として働きながら、企業研修やリーダー育成を手掛ける会社を経営。人のチャレンジを応援する立場柄、自らも仕事の傍ら世界各国へとわたり、競技を通じて挑戦を続けてきた。
エベレスト登頂は、そんな信条の延長線上にある「自分がやり遂げたいことの一つ」だった。だから自らを登山家や冒険家だと公言もしない。
登頂を成功したことについては「『制覇』ではなく自然に受け入れてもらった結果」と謙虚に受け止める。
今回を機に七大陸最高峰全てを登頂したい思いはあるが、軸足は自然全てだ。「色んなところに行ってみたいですね。人生は短いですから」。そう言って笑った。
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