子育て世帯の転入増に伴う児童数の増加を背景に、藤沢市教育委員会は15日、2024年度から鵠沼、六会、辻堂、鵠洋、八松の5小学校の学区の見直しに着手する方針を明らかにした。見直しは市内35小学校が整備された94年以来初。広域的な実施は全国でも珍しく、児童が集中する「過大規模校」を5カ年かけて適正化し、教育環境の改善を図る。
同日開催の市議会子ども文教常任委員会で、市教委が24〜28年に実施する「市立学校適正規模・適正配置 第1期実施計画」の素案を示した。
22年3月に策定した基本方針では、40年に学級数が31学級以上になる過大規模校は辻堂小のみだった。だが、今年4月の市人口推計を基に改めて学級数の推移を推計したところ、6校が32〜38学級になることが判明。特に辻堂小の児童数は1200人を超え、22年度県内公立小で最多に。すでに転用可能な教室の余剰や仮設校舎を建設するスペースもなく、過大規模校の解消は「喫緊の課題」だった。
素案では、学級数の増加が比較的緩やかな秋葉台小を除く5校を対象とし、対策を検討。12〜24学級の「適正規模」に近づけるための具体的手法として、学校新設や時限的分校、建て替えなどを含めて総合的に評価。効果やコスト、地域コミュニティーへの影響などの項目を数値化したところ、学区再編の合計点が最も高かった。そこで第1期は過大規模校の解消を最優先とし、学区の見直しを前提に計画を進める。
南北でワークショップ
市教委は今後、7月に素案に関するパブリックコメントを実施。各地区での説明会を経て来年3月までに同計画を確定させ、24年度に学識経験者、教職員などからなる通学区域検討委員会を設置する。
併せて保護者と地域住民らで構成するワークショップを南部と北部のそれぞれで開催。最長3年の検討とワークショップを経て、5校の学区再編を目指すという。
市教委は「学校適正化・適正配置の取り組みは学校関係者、保護者、地域の理解を得ながら進めることが重要。時間をかけて丁寧に行っていく」としている。
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