流産や死産でわが子を失った家族のための国際的な啓発週間「Baby Loss Awareness Week」(10月9〜15日)に合わせ、10月15日(日)、夕暮れの白旗神社でキャンドルを灯すイベントが開かれる。宮前在住のシンガーソングライターで、自らも死産を経験した土屋清夏さん(41)が企画した。「一人じゃないよ」。当事者に伝えたいのはそんなメッセージだ。
2020年の県衛生統計によると、藤沢市内の死産は72件だった。流産は妊娠した人の約15%に起こるとされており、同年450件程度が経験した計算になる。
啓発週間はタブー視されがちな「赤ちゃんの死」への理解を広め、家族への支援について意識を高めてもらうと1988年にアメリカで制定。4年前から日本国内でも活動が広まっている。
「Wave Of Light湘南」を企画した土屋さんも2019年、臨月に入ってから第2子の死産を経験した。急な腹痛を感じ、病院を受診するとすでにお腹の赤ちゃんは亡くなっていた。分娩前に胎盤が剥がれてしまう「常位胎盤早期剥離」だった。
生まれてくると疑わなかった命が失われ、目の前が真っ暗になった。「病院へ行くのがもっと早ければ助かったのかもしれない」と自責の念にも駆られた。
そんなとき救われたのが喪失の悲しみに寄り添う病院の「グリーフケア」だった。「腫物のように扱うのではなく、赤ちゃんに対する私の思いを尊重してくれた」。同じ経験をした人が交流する自助グループにも参加し「話を聞いてもらうことで社会復帰することができた」と振り返る。
その後、シンガーソングライターとして自身の経験を曲にし、ライブや流産や死産に関するお話会を開催。来場者から「実は私も」との声も寄せられ辛い思いを抱えている人がいる実感した。
土屋さんは「来場した人が穏やかに優しく赤ちゃんを思い、心が癒される時間になれば。当事者に一人じゃないと伝えたい」と話した。
午後5〜7時。参加無料。雨天中止。イベント詳細はインスタグラム(WAVEOFLIGHT_SHONAN)へ。
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