ウクライナ侵攻や円安に端を発した物価高が、学校給食にも影を落としている。藤沢市内の小学校では限られた予算で栄養価を担保しながら給食を提供しようと、安価な食材を活用したり一部の食材を減量するなどして献立づくりを工夫。ただ、物価高の終息は見通せず、国の交付金を活用しながら厳しいやりくりが続く。市は今後、給食費の値上げも視野に物価高への対応を検討するとしている。
牛肉11→3回 メロン1/12に
揚げパン、スープ煮、バナナ、牛乳。ある日に提供された小学校給食の一例だ。市学校給食課によると、この献立で1食あたりの原価は2019年に215・71円だったが、23年は236・76円で20円以上増えた。
現在、市内小学校に通う児童数は約2万3千人。食材により上昇率は異なるが、1食あたり20円値上がりすると、市全体では1日当たり50万円近く、年間だと8千万円以上増える計算になる。
物価高のあおりで半年前と比べても1食あたり10〜20円程度食材費が上がっているといい、同課担当者は「天候不順などで一時的に野菜が高騰することはあったが、毎月のように値上げが続いている。これだけ頻繁だったことは記憶にない」と話す。
市は、19年4月から小学校の給食費を現行と同じ月額4500円に改定。以来据え置いてきたが、物価高のあおりで従前と同じ献立を提供するのが難しくなっているという。
市教委が作成する基準献立では食材費を押さえるため、19年度(4〜12月)に計11回提供していた牛肉を23年度(同)には頻度を減らし3回に、メロンは8分の1カットだったものを12分の1に変更。またサンマ、カレイ、イカなど単価の高い食材は提供せず、比較的安価なサバやアジの干物などを増やすなどして対応した。
担当者は「人気の献立もなるべく削らずやりくりしているが、このままの状況が続けば食材の種類や量をさらに見直す必要も出てくる」と厳しい実情を明かす。
給食費値上げも
市は高騰する食材費に対応するため、昨年に続き、国の地方創生臨時交付金を活用。市議会6月定例会に提出した補正予算案に約6600万円を盛り込み、9月以降、小学校では1食あたり22円、中学校では23円を補填している。
ただ、来年度も同様に交付金があるかは不透明で、同課では「家庭への負担を求める選択は避けたいが、補助金がなくなった場合、給食費の値上げを視野に入れざるを得なくなる」と説明している。
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