今年4月に暴力団排除対策推進協議会の会長に就任した 口元 哲朗さん 湘南台在住 74歳
「平々凡々」を守りたい
○…「暴力団になんで入るんだろう。どうして人を騙したり、暴力を振るったりできるんだろう」。湘南台で焼き鳥屋を45年営みながら、そういった疑問を常に抱いていた。亡くなった前会長の跡を継ぎ、4月に暴力団排除対策推進協議会の会長に就任してから、警察と協力しながら地域の治安向上に尽力する。
○…熊本県の天草地方に生まれ育ち、地元の工業高校に進学。鉄の旋盤加工などを学んだが、「本当は商売の方が好きだった」と振り返る。卒業後に上京し、さまざまな職を経験した後、29歳で湘南台の焼き鳥屋に就職。店での実践を通して修行を重ね、25年ほど前に店を譲り受けた。
○…「好きなのは『平々凡々』な生き方」と語る。「自分が今こうしているのも運命だと受け入れながら、強い人に無理矢理従わされることなく自由に暮らしたい」。そのためには平和が不可欠だが、「なぜか喧嘩したり、平和な暮らしをしない人がいる」。飲食業を営む中で、大きなトラブルに遭遇したことはない。「みかじめ料を請求されたり、正月の飾りを売りつけられたりすることもなかった。警察ががんばってくれているから。自分一人では何もできない分、何かで役に立てれば」と考える。
○…日々の楽しみは仕事と刑事ドラマを観ること。「悪いことをする人がなぜいるのか、どこに魅力を感じるのか、互いの妥協点はないのかなどを考えたい」。湘南台の治安は昔より良くなっていると感じる一方、最近は夜の街で過ごす若い人が増えたようにも感じている。「そういう世界に行かないように親や学校などが指導しながら、居場所や環境づくりをしていかなければならない。悪いことをする前に、される方のこと考えてみてほしい」と訴えかけた。
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