市内に住んでいた絵本作家・かこさとしさん(1926―2018)の童話集「かこさとし童話集」(偕成社)が10日、(有)加古総合研究所から市内4図書館に寄贈された。
現在刊行されている6巻分を贈呈。3月の最終10巻刊行まで順次贈られる。今回の寄贈について、長女の鈴木万里さん(66)は「父が48年間暮らした藤沢の図書館で、多くの人に手に取ってもらいたい」と話す。
同シリーズは、かこさんが生前に一人で企画したものを鈴木さんが編集し、昨年10月、第1巻が刊行された。全10巻に童話や紙芝居、詩など246作品が収録される予定で、テーマごとに1〜3巻が動物、4〜5巻が日本の昔話、6〜8巻が生活、9〜10巻には世界のおはなしにまつわる作品が収められる。「並び順やテーマ、構成などを父はすべて構想していた」と鈴木さん。「7割が未発表作品。言葉遊びのようなものから社会への問題提起となる文章まで、子どもだけでなく大人も楽しむことができる本にしたかったのでは」とかこさんの思いを語る。
「亡くなる約2カ月前に自宅を訪れた編集者に突然見せていた。それからも必ず出版するよう繰り返していた」と出版までの経緯を振り返る。「5年間かかった編集も終わりが近い。かこが描きためてきた年数も合わせると制作年数は約70年。現代や未来の親子に楽しんでいただければ」
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